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[選手権]静学vs.米子北!ともに川崎F加入内定者抱えるV候補同士が「等々力決戦」

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 09年度準優勝校の青森山田と08年度優勝校・広島皆実との対戦が決定した直後、それ以上のどよめきが組み合わせ抽選会場を包んだ。クラブユースチームと高校サッカー部のチームたちが争う高校年代の日本一決定戦、高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権で高校チーム最高の4強へ進出した優勝候補の一角・静岡学園(静岡)の対戦相手に、同じく優勝候補に挙げられている米子北(鳥取)が飛び込んできたからだ。

 米子北は鹿島アントラーズ加入内定のCB昌子源と川崎フロンターレ加入内定のFW谷尾昂也(ともに3年)が2枚看板。昨年の全国高校総体で鳥取県勢初の決勝進出(準優勝)を果たし、今夏の全国総体でも堅い守りとスピードのある攻撃によって優勝候補の筆頭に挙げられていた流通経済大柏(千葉)を下して8強へ進出した。
 加えて今年は天皇杯でも高校生チームながら社会人チームを撃破して鳥取県予選を突破。本戦出場を果たしている全国屈指の実力派だ。ただ静岡の名門との対戦へ向けての思いは挑戦者。MF谷田直宏主将(3年)は「やるからにはみんな勝ちたいと思う。チャレンジャーの気持ち持ってやりたい」と誓っていた。

 対する静岡学園の実力への評価は高い。全日本ユース選手権ではジェフユナイテッド千葉U-18、名古屋グランパスU18、横浜F・マリノスユースとJユース勢3チームを撃破し、サンフレッチェ広島ユースとの準決勝では逆転負けしたものの試合を支配して2点を先取したほど。2年生のテクニシャン、MF長谷川竜也を筆頭にボランチ、SBまでが個人技を生かしたドリブルで仕掛けてくる攻撃は間違いなく脅威だ。CB金大貴主将とCB松本翼(ともに3年)ら守備陣も粘り強く、95年度以来の全国制覇を本気で狙える実力を備えている。

 ただし、初戦となる米子北戦は川崎フロンターレ加入内定のゲームメーカーMF大島僚太(3年)が静岡県大会決勝で喫した退場(警告2回による)のため出場停止となる見通し。そのため、大きなハンディキャップを抱えたまま強敵との対戦を迎えることになりそう。また米子北は昨年の全日本ユース選手権1次ラウンドで1-3で敗れている因縁の相手。楽な展開にはなりそうにない。それでも金主将は「(米子北は)前線、後ろにJ内定の選手がいるけど、これを倒せば自信をもって2回戦へいける。楽しみ。言い方は悪いですけれど、弱いと評価されているチームよりも気が引き締まっていい。先に1点取られても取り返して勝つ」と言い切った。

 全国的に人気のある静岡学園との対戦であることに加えて、相手は大応援団が後押しするであろうことを米子北の谷田主将は警戒していたが「組み合わせが決まった瞬間、相当なアウェーになると思った。強い気持ち、まとまりが大事だと思った。あと少ない時間で(アウェーの)プレッシャーを跳ね返す気持ちを手に入れたい」。
 昨年の全日本ユース選手権での対戦で前評判を覆して快勝をおさめた米子北が再び勝利するのか。それとも静岡学園が雪辱を果たすのか。1回戦最注目カードは12月31日、米子北の谷尾と静岡学園の大島にとって来年ホームスタジアムとなる川崎市等々力陸上競技場で開催される。

[写真]強豪対決実現!静岡学園・金主将(左)と米子北・谷田主将
(取材・文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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