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[選手権]先制弾の歓喜とPK失敗の無念と・・・宮市は「来年は絶対に国立」

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[1.5 全国高校選手権準々決勝 中京大中京2-2(PK1-4)四日市中央工 駒沢]

 中京大中京のFW宮市剛(1年)にとって初めての選手権は自信をつける舞台だったと同時に屈辱のステージにもなった。3回戦の済美戦で選手権初ゴールを含む2発。この日も前半17分に敵陣で相手ボールを奪うと「シュートしかない」と弾丸ライナーの右足シュートをゴール左隅へと突き刺した。今大会ビッグセーブを連発している四日市中央工の1年生GK中村研吾が反応しながらもはじき出すことができなかった鮮烈な一撃。2戦連発で勢いに乗った宮市は直後にもMF加藤優汰(1年)とのワンツーから決定的なシュートへ持ち込み、そのパワーで相手守備陣を押し込むなど最前線でチームを引っ張った。

 だが後半23分に相手DFを弾き飛ばすかのようなボールキープから放った右足シュートも試合を決めきることはできず。後半ロスタイムに追いつかれて突入したPK戦では、右足シュートを決めた作陽との初戦同様に3番目のキッカーとしてPKスポットへ向かったが、今回の右足シュートはクロスバーを越えて失敗。直後に相手の4人目に決められて敗退が決まった。

 今大会、中京大中京のOBであり、現在アーセナルに所属する兄・亮がかなえられなかった選手権1勝を1年で果たし、3ゴールを決めた宮市だったが、選手権は全てが順風では終わらなかった。「悔しいです。あと一歩で国立だったのに・・・・・・。(PKは)決めたいと言う気持ちだったのに、外してしまって申し訳ない。『オマエは良く頑張った』といろいろな先輩に言ってもらいました。来年は絶対に国立へ行きたい」と涙を浮かべながら宣言した。

 愛知県予選では2ゴールを決めて新人王に輝いたが、まだ絶対的な存在ではなかった。ただ名古屋グランパスなどで活躍した岡山哲也監督が「(予選途中から)短期間で一気にうちのエースとして安定感が出てきた」と信頼を寄せる成長ぶり。本人も「全国でも自分のプレーができるのは自信になった。裏への抜け出し、高さ、シュートは通用したと思う」と胸を張った。今大会でつかんだ手ごたえを必ず今後へつなげる。

 好セーブを連発したGK平岡侑樹(3年)が「最後に甘さが出た」と語り、指揮官が「正直悔しい」と首を振った選手権。初の8強進出は宮市にとっても、チームにとっても大きな財産となった。この日8人が先発した1、2年生たちが得た貴重な経験を活かして、中京大中京は来年、国立進出へ再挑戦する。 

(取材・文 吉田太郎)

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