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[選手権]四日市中央工DF西脇、出場停止の元ライバル・國吉を「勝って胴上げ」

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 四日市中央工(三重)は出場停止の主将のためにも勝つ。四日市中央工は9日の国立決勝で大黒柱のMF國吉祐介主将(3年)が累積警告のために出場停止。準決勝の試合後に「任せたぞ」とキャプテンマークを託されたというCB西脇崇司(3年)は8日の決勝前日練習後、「(準決勝後は國吉)が出場停止でつらいという気持ちで涙が出た。國吉が出られないので國吉の分までということと、監督を胴上げしたい気持ち」と不在の主将の分まで戦うことを誓っていた。

 準決勝後のロッカールームでは「(國吉の出場停止が決まった)誰ひとり喜んでいなかった」というほど、主将のチームでの信頼は厚く、西脇にとってもその存在は特別だ。1年時と2年時はCBのポジションを争うライバル。そして現在は「ピッチの内外でも重要。一人ひとりをサポートしてくれる」という。尚志(福島)との準決勝で國吉が警告を受けて決勝での出場停止が決まった瞬間はショックも大きかったが、「切り替えてやろう」とアドバイス。後半途中にボランチからCBへポジションを移した國吉と2年ぶりにコンビを組んで尚志の攻撃を跳ね返し、決勝進出を勝ち取った。久しぶりに隣でプレーした仲間の最後まで戦い抜く姿勢と意志を引継ぎ、決勝では必死に戦いぬく意気込みだ。

 決勝で対戦する市立船橋は188cmの大型FW岩渕諒(3年)を擁するほか、セットプレーでゴールを量産中だ。対して四日市中央工のCBは西脇が173cmで坂圭祐(2年)が169cm。先発が予想されるフィールドプレーヤー10名の最長身も173cmと空中戦で劣勢となることが予想される。だが西脇は「自分たちがヘディングで勝つことが一番。こぼれ球を意識してセカンドボールの争いでしっかり勝ちたい。(セットプレーも)クロスとかの対応を集中すればできる。自信はあります」。國吉の分も戦い、ディフェンスリーダーとして無失点で勝利するだけ。自分の役割を徹底して「國吉がここまで連れてきてくれた。國吉のために勝って胴上げしよう」というチームの誓いを必ず果たす。

(取材・文 吉田太郎)

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