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[大学選手権]浦和入りの明治大FW阪野、意地のゴールも「勝たなきゃ意味が無い」

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[12.22 大学選手権準々決勝 明治大2-4福岡大 川口]

 昨年の関東大学1部リーグ得点王の意地のゴールだった。後半アディショナルタイム、明治大FW阪野豊史(4年=浦和ユース、浦和レッズ内定)はGKとディフェンスラインの間に走りこむと、SB八塚利朗の左クロスをワンタッチでゴールへ押し込み、今大会初ゴール。前半の4失点によってチームは敗れたが、最後の最後でエースストライカーがゴールを破った。ただ試合後は「勝たなきゃ、あまり意味が無いので」と下を向いた。

 神川明彦監督は「力不足です。それだけです」と語ったが、チームにとっては前半の4失点が痛恨だった。阪野は「個人的に前半ずっと思っていたのは、前からプレッシャーが速くて、サイドハーフとかに経由する時にカットされてカウンターというのが多かったので、まずは簡単に蹴ってもらうのがいいかなと思って裏に走って呼んでいたんですけど。サイドバックの裏に蹴ってくれればキープできる自信があって、結構動き出していたんですけど、なかなかボールが入らなかった」と悔やむ。チームは相手の術中にはまり、速攻、セットプレーから4失点。自分たちのパスサッカーを貫いて2点を奪い返したが、悔やまれる敗戦となった。

 阪野は浦和ユースに所属していた08年の全日本ユース選手権ではMF山田直輝、FW原口元気(ともに現浦和)らとともに全国制覇を経験。決勝で阪野の1得点を含む9ゴールを奪ったスーパーチームからは山田やDF濱田水輝(現浦和)ら同期の4選手がトップチームへ昇格した。彼らから4年遅れて浦和のトップチーム入りする阪野は「みんなはオレが大学にいる4年間で何らかの結果を残している。オレはゼロからのスタートだから、まずは一個一個アピールしていかなきゃなと思います。監督が思っているようなプレーをしなければ出られないと思う。チームに合わせるのもそうだし、自分が慣れていかなければいけない。また明治とは違うサッカーになるので早くとけ込めるように頑張りたい。メンバーも凄いし出るのも全然簡単じゃないから、まずは一個一個クリアして出れるように頑張りたいです」。プロではルーキーだが、即戦力として期待される存在。高校時代からのライバルたちに負けないように、結果を残してひとつずつ階段を登っていく。

(取材・文 吉田太郎)
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