[大学選手権]「畑尾のために」という思い、キャプテンの不在が王座奪還の早稲田大の団結力に
[1.6 大学選手権決勝 早稲田大3-1福岡大 国立]
早稲田大のキャプテンDF畑尾大翔(4年=F東京U-18)は、体調不良で今大会の欠場を余儀なくされていた。チーム全体に漂った「畑尾のために」という強い思い。この思いが強い団結力を生み出し、早稲田大を5年ぶりの頂点へと導いた。
体調を崩したのは11月末のことだった。11月17日の専修大とのリーグ戦は出場したが、同25日のリーグ最終節日本体育大戦は欠場。インカレ出場を目指したが、調整が思うようにいかず、インカレ開幕を迎えた。「畑尾を決勝のピッチに立たせたい思い一心でプレーしていた」。MF野村良平(4年=流通経済大柏高)はチーム全体の思いを語った。
チームは順調に決勝の舞台に駒を進めた。結局決勝への出場はならなかったが、イレブンは懸命にチームのために働いてくれたキャプテンへの思いを、パフォーマンスで示した。
前半2分、早稲田大はMF白井豪(4年=三鷹高)が先制弾を挙げた場面。ユニフォームをまくり上げながら真っ先にベンチ方向を目指した白井は、畑尾が背負うはずだった背番号4のユニフォームを重ね着していた。「自分も出られない期間が長かったので、苦しさが分かる。何よりもチームのことを考えてプレーしてくれたので、畑尾のためにという思いは並々ならぬ思いがあった」。まさに感謝を形で示してみせた。
「背番号4のユニフォームを着てくれているのは知っていた。でもベンチまで来てくれるとまでは分からなかった。中で作業していたので豪ちゃんの得点は見ていなかったのですが、外に出たら自分の方に走ってきてくれた。最後みんなに大きなプレゼントをしてもらったなという思いでいっぱいです」。畑尾はチームメイトの配慮に感謝した。
後輩たちからも「今までサッカーをやってきた中であれだけ熱い、チームのために行動できるキャプテンはいなかった」と慕われたキャプテン。体調さえ整えば、再びJクラブが注目したプレーを見せることが出来ると信じている。
「まずは完治させることが大事ですが、次のステージでサッカーをすることを諦めてはいません。トミー(FW富山貴光=大宮入団内定)とか譲(MF島田譲=岡山入団内定)は先に行きますが、後から自分も行けたらいいなと思っています。応援していただければうれしい」
チーム全体で勝ち取ったという意味ではこれ以上ない有終の美となった。だが「プレーヤーとして最後にピッチに立てなかったのは、悔しい気持ちもあります」と目は死んでいない。まだまだ諦めるわけにはいかないサッカー人生。畑尾の逆襲を期待したい。
(取材・文 児玉幸洋)
▼関連リンク
第61回全日本大学選手権特集
早稲田大のキャプテンDF畑尾大翔(4年=F東京U-18)は、体調不良で今大会の欠場を余儀なくされていた。チーム全体に漂った「畑尾のために」という強い思い。この思いが強い団結力を生み出し、早稲田大を5年ぶりの頂点へと導いた。
体調を崩したのは11月末のことだった。11月17日の専修大とのリーグ戦は出場したが、同25日のリーグ最終節日本体育大戦は欠場。インカレ出場を目指したが、調整が思うようにいかず、インカレ開幕を迎えた。「畑尾を決勝のピッチに立たせたい思い一心でプレーしていた」。MF野村良平(4年=流通経済大柏高)はチーム全体の思いを語った。
チームは順調に決勝の舞台に駒を進めた。結局決勝への出場はならなかったが、イレブンは懸命にチームのために働いてくれたキャプテンへの思いを、パフォーマンスで示した。
前半2分、早稲田大はMF白井豪(4年=三鷹高)が先制弾を挙げた場面。ユニフォームをまくり上げながら真っ先にベンチ方向を目指した白井は、畑尾が背負うはずだった背番号4のユニフォームを重ね着していた。「自分も出られない期間が長かったので、苦しさが分かる。何よりもチームのことを考えてプレーしてくれたので、畑尾のためにという思いは並々ならぬ思いがあった」。まさに感謝を形で示してみせた。
「背番号4のユニフォームを着てくれているのは知っていた。でもベンチまで来てくれるとまでは分からなかった。中で作業していたので豪ちゃんの得点は見ていなかったのですが、外に出たら自分の方に走ってきてくれた。最後みんなに大きなプレゼントをしてもらったなという思いでいっぱいです」。畑尾はチームメイトの配慮に感謝した。
後輩たちからも「今までサッカーをやってきた中であれだけ熱い、チームのために行動できるキャプテンはいなかった」と慕われたキャプテン。体調さえ整えば、再びJクラブが注目したプレーを見せることが出来ると信じている。
「まずは完治させることが大事ですが、次のステージでサッカーをすることを諦めてはいません。トミー(FW富山貴光=大宮入団内定)とか譲(MF島田譲=岡山入団内定)は先に行きますが、後から自分も行けたらいいなと思っています。応援していただければうれしい」
チーム全体で勝ち取ったという意味ではこれ以上ない有終の美となった。だが「プレーヤーとして最後にピッチに立てなかったのは、悔しい気持ちもあります」と目は死んでいない。まだまだ諦めるわけにはいかないサッカー人生。畑尾の逆襲を期待したい。
(取材・文 児玉幸洋)
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