[12.14 全日本大学選手権1回戦 筑波大3-0IPU・環太平洋大 味スタ西]

　第62回全日本大学サッカー選手権は14日、1回戦を行い、筑波大(関東5)はIPU・環太平洋大(中国2)と対戦し、3-0で快勝した。来季の川崎フロンターレ入団が内定しているMF谷口彰悟(4年=大津高)が2得点1アシストを記録。18日の2回戦では東海学園大(東海1)と対戦する。

　立ち上がりから試合の主導権を握る筑波大は前半9分、谷口、MF曽山慶太(4年=アミーゴス鹿児島U-18)、DF三丸拡(2年=真岡高)とつないで左クロスにMF片岡爽(3年=神戸U-18)が合わせたが、GKが好セーブ。同17分には谷口がFW上村岬(4年=磐田ユース)とのワンツーでPA内へ切れ込み、GKもかわして右足でシュートを打ったが、ゴールライン上でDFにクリアされた。前半27分にもFW若杉拓哉(2年=大津高)のシュートを至近距離でGK吉崎弘宣(3年=佐賀北高)がビッグセーブ。優勢に試合を運びながら、なかなか先制点を奪えなかった。

　それでも、このまま前半終了かと思われた前半44分、曽山の左クロスをファーサイドの谷口がDFに競り勝ってヘディングで折り返すと、MF吉田直矢(1年=川崎F U-18)が体を投げ出すように右足で蹴り込み、ゴールネットを揺らした。「(谷口)彰悟くんなら(競り合いで)勝ってくれると思った。点が取れたのはたまたまだけど、時間帯的にも前半の最後に取れて、リードして後半を迎えられたことはよかった」。吉田の言葉どおり、前半終了間際の先制点で後半はグッと楽になった。

　追加点はセットプレーからだった。後半15分、上村の右CKから谷口が打点の高いヘディングシュート。頭一つ飛び抜けた高さからゴールに叩き込み、2-0とリードを広げた。2点ビハインドとなったIPU・環太平洋大はなかなか反撃の糸口を見い出せない。後半30分にはキャプテンのMF河井卓也(4年=福岡U-18)が競り合いで負傷し、途中交代を余儀なくされた。

　その後も攻撃の手を緩めない筑波大は後半36分にも上村の左CKに谷口が頭で合わせるが、今度はゴールライン上でDF玉城幸弥(2年=知念高)がクリア。それでも同44分、縦パスに若杉が抜け出すと、PA外まで飛び出してきたGK吉崎に倒された。吉崎は一発退場。すでに交代枠を使い切っていたIPU・環太平洋大は急きょDF河本将太(2年=聖光高)がGKを務めることになった。筑波大は後半アディショナルタイム、上村のショートコーナーから途中出場のMF葺本啓太(4年=浦和ユース)が左クロス。これをまたも谷口が高い打点のヘディングで捉え、3-0とダメを押した。

　2得点の谷口は「仲間のボールがよかった」とチームメイトに感謝。「立ち上がりは硬くて、なかなか相手のゴール前に行けなかったけど、前半の最後に1点取れたのが大きかった。最終的には安定した試合運びができたかなと思う」と、難しい大会初戦を完封で制し、試合内容にも納得している様子だった。

(取材・文　西山紘平)

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