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[MOM508]法政大FW松澤彰(2年)_途中投入で2戦連発!189cmの“意外性”FWがブレイク狙う

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決勝点を挙げた法政大FW松澤彰(2年=浦和ユース)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.18 全日本大学選手権準々決勝 法政大3-2びわこ成蹊スポーツ大 栃木市]

 しぶとく追いすがる相手を、189cmの長身ストライカーが突き放した。初戦に続いての途中出場となった法政大FW松澤彰(2年=浦和ユース)は、それぞれ15分足らずの出場時間で2戦連発。2度も勝ち越しながらそのたびに追い付かれていたチームを、ベスト4に導く貴重な決勝弾となった。

 18日に行われたインカレ準々決勝のびわこ成蹊スポーツ大戦、松澤は2-1で迎えた後半33分にピッチへ送り出された。「点を決める気しかしなかった」と自信を持って向かった背番号18は、2回戦でもCKからのヘディングで得点を記録。良いイメージを持ったまま2トップの一角に入った。

 ところが登場から1分後、チームは同点に追いつかれてしまう。長山一也監督からは「守備から入って」と言われていたというが、自らが試合を決めるという想いはいっそう強まった。そうして迎えた後半41分、自らのプレッシングから好機を導く。

「法政は前からプレスをかけるチームスタイルなので、身体を張って泥臭く行く」という激しいプレッシャーで相手ボールホルダーに圧力をかけると、パスミスに乗じてボールを奪取。そのままドリブルでPA左に攻め込み、右足を振り抜いた。

「弱いシュートになってしまったけど、『気持ちで押し込んだ』ということで」と照れ笑いを浮かべたように、綺麗にミートしたシュートではなかった。それでもヴィッセル神戸への加入が内定しているDF宮大樹の股下を抜き、ボールはファーのサイドネットへ。喜びを表現する松澤は、スタンドに向けてハートマークのハンドサインを送って見せた。

 指揮官は「以前ならあそこで打ちに行く姿勢はなかった」と指摘し、ヒーローとなった本人も「いつもなら横パスだったかな」と同調。しかし、1年生FW上田綺世(1年=鹿島学園高)がU-20日本代表に選ばれたことに言及し、「良い刺激になっていたのですが、自分も足を振らないといけないと思った」とライバル意識が後押ししたようだ。

 また、35年ぶりの優勝を果たした夏の総理大臣杯でも悔いを残しているという。「調子が良かった」という状態で迎えたが、体調不良と足の炎症で目立った活躍はできず、主役の座を上田に奪われた。そのため今大会を「4年生も最後ですし、自分も恩返しがしたい」と勝負の大会と位置づけている。

 背の高さはもちろんだが、持ち味は「意外性があるところ」と自己評価。「でかいわりに動けたり、シュートもたまに入ったり」と冗談めかすが、「もっとシュートを増やして、チームを助けられる選手になりたい」と理想も述べる。指揮官が「ラッキーボーイといいますか、良い時は本当に良い選手」と信頼を置く長身ストライカーは、今冬でのブレイクを伺っている。

(取材・文 竹内達也)
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