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光った好守。「総力」結集の桃山学院大が鹿屋体育大撃破!

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前半30分、桃山学院大MF佐藤碧が先制ゴール

[12.12 インカレ1回戦 桃山学院大 2-0 鹿屋体育大 柏の葉]

 桃山学院大が会心の勝利で2回戦進出! 12日、平成30年度第67回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)1回戦が行われ、柏の葉公園総合競技場(千葉)の第2試合では桃山学院大(関西4)と鹿屋体育大(九州3)が激突。桃山学院大が2-0で勝ち、駒澤大(関東4)の待つ2回戦へ駒を進めた。

 夏の総理大臣杯で阪南大、早稲田大という強豪を破って8強入りしている鹿屋体育大を桃山学院大が沈めた。この日、前線でFW小松光樹(4年=立正大淞南高)がボールを収め、FW毎熊晟矢(3年=東福岡高)や右MF佐藤碧(3年=大分高)が抜け出す攻撃が機能していた桃山学院は前半30分、右サイドを抜け出した毎熊が中央へパス。DFを振り切ってPAへ侵入した佐藤が、細かいシュートフェイントを入れてから右足シュートをゴール左隅へ流し込んだ。

 鹿屋体育大は鳥栖内定のMF樋口雄太(4年=鳥栖U-18)が2か月ぶりの公式戦と90分間のプレー。本人はなかなか感覚を掴むことができなかったようだが、それでも低い位置で冷静にボールをキープし、そこからロングフィードをサイドプレーヤーに通したり、1タッチパスで攻撃のリズムを作り出していた。その樋口やCB奥村泰地(4年=鹿児島実高)の展開から攻め、前線で良く身体を張っていたFW根本凌(1年=上田西高)やFW澤居道(4年=名古屋U18)がゴール前で勝負しようとする。

 だが、幸先よくリードを奪った桃山学院大は落ち着きと連動性のある守備。相手をサイドへ追い込んでボールを奪ったり、縦パスをMF徳永晃太郎(4年=立正大淞南高)とMF今吉晃平(3年=ルーテル学院高)のダブルボランチがインターセプトするなど、狙い通りの試合運びを見せる。

 松本直也監督も「先に取れてプラン通りにできた。良い守備からできたと思います」と評価する。夏の総理大臣杯では、専修大との初戦で前半だけで3点を奪われて敗戦。「このままじゃ全国で勝てない」(松本監督)と守備の意識から変えてきたというチームはこの日、中盤で印象的な働きを見せていた徳永、今吉を中心に安定した守りを続け、ゴール前ではCB小野尚樹(3年=日章学園高)がシュートブロックするなど、得点を許さない。

 逆にFKからCB早川雄貴(3年=富山一高)がクロスバー直撃のヘディングシュートを放つなど2点目を狙う桃山学院大は後半13分、好守から追加点を奪う。敵陣でボールを奪うと、鋭く前進した小松がDFを引きつけてスルーパス。これで抜け出したMF印藤虎太郎(2年=C大阪U-18)がシュートをGK、DFに止められながらも最後は右足でねじ込み、2-0とした。

 相手の動きを見極めながら試合を進める桃山学院大は、その後もプレスバックや個々のハードワークなど守備意識の高い戦いを継続。鹿屋体育大は終盤、クロスからCB斉藤海(4年=横浜FMユース)やMF仙波柊人(3年=鹿児島実高)が決定的なシュートを放ったが、桃山学院大GK松山健太(2年=九州国際大付高)のファインセーブにあうなど追撃することができない。

 逆にカウンターから決定機を作り出していた桃山学院が押し切って2-0で快勝。夏の完敗後、関西1部リーグ後期11試合で7勝2分2敗、勝ち点23をもぎ取ってきた自信と勢いがチームにはあった。「まとまってきて、段々良くなってきた」(松本監督)という桃山学院。3年ぶりのインカレでまずは1つ白星を勝ち取った。

 ゲーム主将の徳永は「総理大臣杯は前半にセットプレーとか自分たちの悪いところが出てしまったので、今までやってきた前からプレッシャーをかけるというところ、全体で守備の意識を高めるというところが上手くハマったかなと思います。全員が意思をもって連動して守備できていた」と勝因を分析。そして夏に完敗を喫している専修大と同じ関東勢、駒澤大と戦う2回戦へ向けて「今年の自分たちのテーマが『総力』。全員の力じゃないと勝てない。一つになってこそ桃山の良さが出ると思うので、全員で前に出る勢いや、守備の勢いもそうですけれども、全員で一つになってやれればきょうみたいにできると思う」と力を込めた。2回戦でも、全員の力を結集して関東勢を乗り越える。

(取材・文 吉田太郎)

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