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DF深井祐希は鋭い読み&反応で存在感、北海道教育大学岩見沢校の守備が早大を苦しめる

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DF深井祐希が守備を牽引

[12.15 インカレ2回戦 早稲田大1-0北海道教育大学岩見沢校 味フィ西]

 北海道教育大学岩見沢校の健闘が目立った試合となった。強豪揃いの関東大学リーグで優勝した早稲田大に0-1で敗戦。しかしその1失点はPKによるもの。安定した守備の中心には、主将・DF深井祐希(4年=北海道大谷室蘭高)の姿があった。

 2学年上の兄は北海道コンサドーレ札幌のMF深井一希。幼少の頃から兄とボールを蹴り、サッカーはいつ始めたか覚えていないという。以前はボランチやサイドバックを務めていたが、高校3年生でセンターバックにコンバートし、その場所で自身の主戦場を見出した。167㎝と小柄ながら、この試合でも最終ラインで躍動。鋭い読みと反応で早大の縦パスをカットし、巧みに体を使って相手を抑え、ピンチを未然に防いでいった。

 越山賢一監督は「兄の影響でサッカーもよく知っており、理解力が高い」と主将を評する。北海道のチームは遠方のために他地域の情報が得られにくい。しかし、深井がゲームの中で相手を分析して周囲と共有。それを全員で行い、チームの結束力を高めていた。「誰かが良い情報を仕入れたらみんなで共有。だから、全体的に崩れることがない」(越山監督)。この試合でも前半は全体で守備のリズムをつくり、シュートを打たれる場面はあれど、大きく崩される場面はなかった。

 公式記録のシュート数を見ると、早大が前後半3本ずつに対して、北海道教育大学岩見沢校は前半3本、後半は5本。戦力差の中で接戦を演じてみせた。深井は「このメンバーでやるのは3年目なので集大成。一年ずつできることは増えていったので、今年はもう臆することなくできた」と語る。だからこそ「勝てたとは言えないですけど、チャンスはいっぱいあったので悔しい」と肩を落とす。「早大も初戦でつけ入る隙はあった。守備全体の手応えはあったんですけど、あそこで取れるかどうかっていうのは関東との差だったのかなと思います」。

 試合後のチームには笑顔もこぼれ、互いに感謝を語り、4年生は最後の挨拶をした。卒業後は企業に就職する者、教育の場を目指す者もいる中で、深井はサッカーを続ける意思をみせている。

(取材・文 石川祐介)
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