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[MOM846]国士舘大FW棚橋尭士(4年)_全開アピールの1G1A

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.17 インカレ3回戦 国士舘大3-0仙台大 AGFフィールド]

 圧巻のパフォーマンスをみせた。国士舘大(関東6)は前半26分、DF望月海輝(3年=三菱養和SCユース)のスルーパスに反応したFW棚橋尭士(4年=横浜FMユース/徳島内定)が右足でゴール左隅に流し込んで先制点を決める。さらに同38分には左サイドでボールを持つと、MF牧山晃政(4年=東福岡高/相模原内定)へのピンポイントクロスで追加点をアシストした。

 ただ自己評価は低い。「満足いく結果ではなかったですけど、数字として良かったなと思います」。後半の失速を課題として挙げると、「J内定者として見られているのは自覚している。ここで活躍しないとプロでも活躍できないと思うので、もっと違いを見せられるように頑張っていきたい」と意識を高くした。

 久しぶりの先発出場に燃えていた。最終学年の今年はシーズン序盤から細かい怪我が続き、思うような結果が残せなかった。今季の関東リーグは10試合の出場にとどまり、得点数はゼロ。夏に優勝した総理大臣杯では2回戦で2ゴールを決める活躍で復調をみせていたが、決勝で靭帯を痛める怪我をしてしまうなど、不運も重なった。

「シーズン初めは体調不良もあって出遅れたし、大臣杯決勝の怪我は最初は捻挫かなと思って2週間くらい休んだけど、そこでもう一回検査をしたら靭帯が切れていた。思ったより時間がかかってしまいました。リーグはほとんど出ていないので、インカレにかける思いは一番強いかなと思います」

 そんな調子のながらないシーズン序盤の6月に、棚橋の徳島ヴォルティスへの内定は発表になった。スカウト担当と話しをする中でサッカー観の一致を確認、そして育成面での充実を感じたことでオファーを快諾した。何より結果を残せていない時期、交渉解禁となってすぐにオファーを出してくれたことが素直に嬉しかったという。

 頂点まであと2勝と迫った。そしてこの日、棚橋が90分を戦えたことは、チームに更なる自信を与えている。棚橋自身もプロ生活に弾みをつけるためにも、夏冬2冠は絶対に達成したいところ。「このチームでやるのも最後なのでやり切りたいなと思います」。クリスマスの準決勝、そして元日の決勝へ向け視界は良好だ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第71回全日本大学選手権(インカレ)特集

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