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「自分の得点に繋がる近道」守備からゴール。U-17日本代表FW高岡伶颯(日章学園)がBalcom BMW CUP MVPに

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前半28分、U-17日本代表FW高岡伶颯(日章学園高)がインターセプトからゴール

[8.11 Balcom BMW CUP第3節 U-17日本代表 4-0 U-17ウズベキスタン代表 広島広域公園第一球技場]

 U-17日本代表FW高岡伶颯(日章学園高)が、「HiFA 平和祈念 2023 Balcom BMW CUP 広島国際ユースサッカー」の大会MVPに選出された。

 高岡は今大会、2試合の先発を含む全3試合に出場。初戦と第2戦は決定機に絡む一方で無得点だったが、U-17ウズベキスタン代表との最終戦で初ゴールをマークした。前半28分、連動した守備でウズベキスタンのミスを誘い、インターセプト。一気にゴールへ向かい、DFに寄せられる前に右足シュートを叩き込んだ。

「もっと前に行けたけれど、相手の守備の足も長くて、ハードワークしてくる。ここで打たないと、と。気持ちで最後は押し込みました。アジアカップとか経験していて、ああいうところはみんな冷静に決めると思うので、気持ちもありながら最後は冷静に決め切りました。」

 過去2試合は「あとはゴールだけ」と言われるようなパフォーマンスだった。先発した初戦、交代出場した第2戦も前線で一際運動量を増やし、ハードワーク。貢献度は大きかった。加えて、DF背後へ抜け出してGKとの1対1を迎えるシーンや、折返しからポスト直撃のシュートを放つシーンも。だが、決め切ることができていなかった。

 3戦目にして待望のゴール。これは、自分を見つめ直して「守備から」を徹底して生まれたものだった。「1、2試合目は、『守備は当たり前』みたいなところがあった。守備は後回しにして点の方に気持ちが行き過ぎたので、ちゃんとやるべきこと、守備を。自分の持ち味は守備なので、一つ一つの積み重ねがオーストラリア戦もそうですし、『自分の得点に繋がる近道』なのかなと思います」。自分はまず守備。それがゴールに繋がることを再認識した。

 高岡は今年6、7月に開催されたU17アジアカップ優勝メンバー。U-17ワールドカップ出場をかけた準々決勝・オーストラリア戦で貴重なゴールを決めている。同大会の出場時間が短かったこともあって、今回は他のU17アジアカップメンバー3人らとともにBalcom BMW CUPに出場。結果を残すことを自身に求めていた。

「アジアカップのオーストラリアで点を決めたのはあるんですけれども、ここにいるという現状があって、点を上手く決められなくてアジアカップ(の活躍)が薄れていくような感じがあった。それが、嫌だった。ちょっと『みんなとは違うよ』というところを見せたかったです」

 U-17日本代表で誰よりもハードワークしている自負がある。だが、それだけでは足りないと考えている。「ハードワークしてもサッカーに詳しい人には分かるけれど、色々な人に見てもらうには結果の部分が必要」。今大会確認した「守備から」を継続。ハードワークを多くのゴールに結びつける。

「ここからチームに戻って良い準備して、休まずコツコツ努力して、ハードワークして、一味違う自分を出して、(U-17日本代表の活動が予定されている)フランスか新潟で出してワールドカップに行けたら良い。今までは守備はするけれど……みたいな感じなので、もっと守備で印象付けたり、『コイツが絶対にエースだ』というところを見せたいです」。Balcom BMW CUP大会MVPのストライカーが、圧倒的なハードワークとゴールで日本のエースになる。


(取材・文 吉田太郎)

●U-17ワールドカップ2023特集ページ
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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