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指揮官も「あれがチームを救った」…U-17日本代表FW高岡伶颯(日章学園高)が世界切符へと導く一撃!!

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FW高岡伶颯(日章学園高)が歓喜の疾走

[6.26 AFC U17アジアカップ準々決勝 U-17日本 3-1 U-17オーストラリア]

 待望の一発だった。AFC U17アジアカップ準々決勝、後半29分にU-17日本代表FW高岡伶颯(日章学園高)があげた歓喜の雄叫びは、チームを救った証だった。

「後半は相手のペースになる中で日本の攻撃も落ちていたので、こういうときこそ自分が出たらチームを鼓舞して前に進めるようにしないといけなかった」

 グループリーグでは不発。「ずっと入らなくて」と苦笑を浮かべたように、ゴールに迫る形では高岡らしさを表現できていたものの、肝心のシュートに精度を欠いてノーゴール。悔しさをにじませ続けていた。

 ただ、そこで凹むのではなく、前を向いてゴールを狙い続けてこそストライカー。そういう強さが高岡にはあった。グループリーグでのプレーも「ゴールへのイメージはできていた」と前向きに捉え直し、「今日も同じようにゴールへのイメージを持って試合に入った」と、チームを救う一発を狙い続けた。

 そして迎えた後半29分、劣勢の試合展開の中でMF佐藤龍之介(FC東京U-18)の巧みなラストパスを受け取ると、冷静な切り返しで迫ってきたGKとDFを外してからの左足シュートを流し込み、「あれがチームを救った」と森山佳郎監督も絶賛したゴールを奪ってみせた。

「佐藤のパス能力は本当に高いので、CBの間とかを狙って呼べば出てくる。『自分が決めるんだ』と思って、あそこはもう佐藤の名前をめっちゃ呼んだら出してくれた」

 このパスに対してGKが鋭く飛び出し、DFのカバーリングも来ていた。「(相手が)意外と近かった」と焦ってミスしてもおかしくない状況だったが、そこからクールな選択。見事な切り返しからのシュートだった。

「ああいうときこそ力を抜いて冷静になったほうがいい。グループリーグでは力が入ってしまっていて、いろんな方にそのことを指摘されていたので、そこを意識できたのが良かったです」

 決めたあとに思ったのは「『やっとかあ』という感じ」だったそうだが、もちろん、この一発で終わりにするつもりはない。「こういうチームが苦しいときに決めてこそだと思っていた」と言うストライカーは「目標である得点王を狙うために」とも言い切り、「チームを救える選手になるために頑張っていきたい」と力強く宣言。小さくも力強いストライカーの快進撃は、「ここがスタートラインだと思っている」(高岡)。

(取材・文 川端暁彦)
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