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関塚監督と吉田が出席、ウェンブリーでの公式会見要旨

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 ロンドン五輪で44年ぶりのベスト4進出を果たしたU-23日本代表は5日、マンチェスターからロンドンに移動し、7日の準決勝・メキシコ戦が行われるウェンブリースタジアムを視察した。関塚隆監督とキャプテンのDF吉田麻也が公式会見に出席した。

以下、会見要旨

関塚隆監督
―大会直前の親善試合ではメキシコに2-1で勝っているが、あれからチームはどう成長したか?
「強化試合を3試合行ったが、メキシコ戦は本大会に入る直前の試合で、我々にとってそこが一つのきっかけになる試合にしようと入った。大会に向けて、やるべきことを整理した中での試合だった。本大会に入って一戦ごとに一つひとつのプレーの精度、チームで何をしないといけないかが高まってきている。11人、あるいは18人の一体感は高まってきている」

―1968年のメキシコ五輪では3位決定戦でメキシコに勝って銅メダルを獲得しているが?
「僕は8歳だったので、あまり印象にないが、メキシコオリンピックでの銅メダルは日本のサッカー界にとって歴史に残っている大会。そのときのことではやはり釜本さんと杉山さんの攻撃のラインが印象に残っている。それから恩師である宮本さんや松本育夫さん。メキシコのときの銅メダリストに指導を受けてきた一人として縁も感じている」

―試合ごとに移動の多い日程だが、コンディションで気を付けていることは?
「大会の会場を見ると、それぞれのグループの第1シードにアドバンテージはある。その中で勝ち抜いていかないといけないし、我々は我々の移動を考えた中でベストなコンディション調整を心がけている。明後日の試合に向けても、向こう(マンチェスター)で練習して、ここを視察して宿舎に入るのが一番いいだろうと考えた」

―永井のケガの状態は?
「昨日、一度ピッチに戻りながらできなかった。今の時点では厳しいかなという状況」

―クラマーさんが日本に対して『メキシコの銅メダルを超えてほしい』とメッセージを送ってくれたが?
「クラマーさんをはじめ、いろんな方に44年ぶりのベスト4を喜んでいただいている。日本サッカー全体で上を目指そうとやってきて、5大会連続で五輪に出場した中で一つの成果をあげてきた。このメンバーでここに立っていることを幸せに思う。明後日の試合はそこを超える戦いをしたいし、結束して一体感を持って戦いたい。これまでやってきたもので十分できると思う。自信と誇りを持って、自分たちが持っているものすべてを出す試合にして、一つ歴史をつくっていきたい」

―準々決勝ではオールドトラフォード、準決勝ではウェンブリーで指揮を執ることになるが? またなでしこジャパンの佐々木監督が『ここに2人で戻ってくることを約束していたのでうれしい』と話していたが?
「オールドトラフォードで試合ができて、しかも勝利できたことは幸せなこと。ましてや我々がファーストチーム(ホーム扱い)で、ベンチもマンチェスター・ユナイテッドが座っているシートでできた。あとから考えたら、すごいことだなと感じた。そこで勝って、今度はロンドンのウェンブリーで試合ができる。ウェンブリーは歴史あるサッカーの聖地。そこで準決勝を、なでしこと連日できるのは喜ばしいこと。ドロー(抽選会)のとき、佐々木監督と『ここで試合をやろう』と話した。日程を見ると、準決勝まで勝ち上がらないと来れないが、『我々も絶対に来ますから』と約束して、それを守れたことがうれしい。佐々木監督、なでしこの選手を顔を合わせられるのが楽しみだし、なでしことは2年前のアジア大会でアベック優勝して、お互いに刺激し合いながら来ている。なでしこはその後、世界チャンピオンになったが、我々も負けずに、力を付けながら勝ち上がってきた。臆することなく、明後日の試合ですべてを出したい」

●DF吉田麻也(VVV)
―メキシコとは大会前の親善試合でも対戦し、勝っているが?
「前回は相手も10番の選手(ドス・サントス)が(先発で)出ていなかった。サイドにドリブルもパスもできる選手がいるし、テクニックのある選手が多い。スペースを与えずにラインを高くしてコンパクトに守りたい。一度勝っているので、相手も必死に来る。親善試合のときとは違うメキシコだと思っている。気を引き締めてやりたい」

―ベスト4に入って大会前の期待を超えられたか?
「日本だけでなく世界的にも注目されているのは理解している。このチームに入ったときからここを目標にしていたし、特別感じることはない」

(関塚監督がウェンブリーでの試合についてコメントしたあと)
「せっかくなので僕も話していいですか? ウェンブリーはサッカーの聖地。そのサッカーの聖地でやれることをうれしく思います。マンチェスターでの準々決勝の前には『香川真司だけでなく、日本には他にもいいタレントがいることをマンチェスターの人の前で証明したい』と話しましたけど、今度は宮市亮だけでなく、素晴らしい選手が日本にはたくさんいることをロンドンの人に見せたい」

―前回のメキシコ戦後、チームはどう成長してきたか?
「一番成長しているというか、いい感覚を得ているのは守備でしっかり完封できていること。それが自信につながっているし、攻撃も自信を付けて、1試合ごとに成長を感じている。それは他の選手も同じ意見だと思う。でも、もっともっと大舞台で、国を背負って戦える喜びを感じたい。北京やアテネ、もっと前の先輩方ができなかったことを成し遂げて、新しい歴史を築きたい。ここまで来たらメダルも取りたいし、ロンドンオリンピックを楽しみたい」

(取材・文 西山紘平)

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