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カズがU-23代表にエール「この経験をW杯につなげてほしい」

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 快進撃を見せて、ベスト4まで勝ち進んだ関塚ジャパンだったが、10日の3位決定戦では韓国に0-2で敗れ、目標に掲げていたメダルにあと一歩届かなかった。横浜FCのFW三浦知良は11日の練習後、取材に応じ「チームとして本当に良く戦っていたと思います。世界に誇れること」と、若き選手たちの健闘を称えた。

 三浦は「(3位決定戦の)試合は、チラッと映像を見たくらいですが」と前置きをした上で、「やっている選手たちは、何とか3位決定戦に勝って、銅メダルを獲得したいと思っていたでしょう。ライバルの韓国に勝ちたかった気持ちは本当に強かったと思う。ここまで来て、結果的に目標だったメダルは取れませんでしたが、日本代表の一番大きな目標はW杯。U-23の選手たちは次のW杯、さらにその次のW杯に向けて(日本代表の)中心になっていくと思う。このU-23の中で最高の大会であるオリンピックで実感した。それを次のJリーグだったり、海外で活躍している選手は海外で生かし、また日本代表につなげて行ってほしい」と、エールを送った。

 大会全体のU-23の戦いぶりについては「チームとして本当に良く戦っていた。世界に誇れることだと思います」と称賛した。

「団体競技の中であれだけ組織されて、一つになって戦えたのは素晴らしい。個々の能力で上回っている相手にも、チームとして機能して、パワーを出して行くという部分では、素晴らしいものを見せてくれたんじゃないかなと思います」

 また、今大会で彼らが残したもの、得たものは大きいとも言う。

「たとえば良いところまで行っても、結局、準優勝で終わることはあるでしょう。でも、そこに行って初めて『優勝しなければいけない』というものを実感する。今まではグループリーグ突破が目標であったり、または決勝に行けたらいいなという思いだったと思います。一度、決勝に行ったら『次は勝たなければいけない』『勝たなければ歴史に名前が残っていかない』と実感する。そういう意味では、この悔しさを次に向かっての意欲、活力にしてほしい。やっていた選手は何とか3位決定戦で銅メダルを取るという気持ちで、精いっぱいやっていたと思いますので、胸を張って帰ってきてほしいと思います」

 カズは銀メダルを獲得したなでしこジャパンと食事会の約束をしている。U-23代表選手とも食事会をするか?という質問には「なかなか時間もないですし、男子の場合は海外で活躍している選手も多いので難しいですが、前は海外組とも8人、9人くらいで食事をしたので、 (その際に連絡先を交換した)吉田選手が招集をかけてくれれば、そういう機会もつくりたいですね」と前向きに語っている。

 ロンドン五輪が終わったばかり。だが、GK権田修一、DF吉田麻也、DF酒井高徳の3選手は、すぐに15日に札幌で行われるベネズエラ戦を戦う日本代表に合流する。ザッケローニ監督も「五輪代表の選手はフル代表の候補」と話しており、今後、さらに多くの選手がフル代表に選出されることが予想される。U-23代表選手がフル代表として戦う際のアドバイスを求められたカズは「特にアドバイスはありません。彼らは分かっていると思います」と、世界の舞台で44年ぶりとなる偉業を成し遂げた選手たちへの信頼を口にした。

(取材・文 河合拓)

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