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五輪で自身の武器を再確認したFW永井「A代表の舞台に立つ」

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 サッカーの母国を驚愕させたスピードスターが、あらためてA代表、そして世界への思いを強くした。12日にイギリスから帰国した関塚ジャパンは、千葉県内で会見を行った。モロッコ戦とエジプト戦でゴールを挙げたFW永井謙佑(名古屋)は「たくさんの方に(空港で)迎えてもらえて、大会を通して本当に多くの応援をしてもらえて感謝しています」と、サポーターへの感謝を口にした。

 大会初戦のスペイン戦では、最前線の永井からのプレスが機能。関塚隆監督は「スペインの調子を狂わせたのは、われわれ」と語ったが、その一つの要因となったのが、彼の驚異的なスピードだった。

「スピードの部分は十分に通用しましたし、それは自信を持って今後のJリーグでも、他の舞台でも戦えるかなと思います」と、永井もあらためて最大の特長について、自信を深めていた。

 その速さには、海外のクラブも興味を示したと言われている。永井自身も「海外でプレーするのが夢ですし、(オファーがあれば)プレーしたい」と、あらためて海外でプレーする意欲が高まったことを明かす。

 一方で、課題も見えた。11日には横浜FCのFW三浦知良が、『11番』を付けてプレーしていた永井について「初戦であれだけ活躍をして、徐々にマークもきつくなって大変だったと思う」と指摘していた。永井自身も「そうですね。徐々にマークは厳しくなりました」と振り返るが、それ以上に大きな課題があると語った。

「でも、一番は自分の運動量が落ちました。(大会の)最初の方は、非常にハイプレスの中でできていて、チームの良さも非常に出た部分はありましたが、連戦の中で疲労がたまった状態になると、きつかったですね。最後は体力的に厳しくなって、もろさが出たりしたので。そこは個人としてもチームとしても成長したいと思います」

 優勝したメキシコとは準決勝と大会前の親善試合で戦っている。「非常にレベルが高かったし、そういう相手とできたことを誇りに思い、それを意識しながら毎日のトレーニングにつなげていきたい」と、この経験を次につなげることを誓った。

 U-23での戦いを終えた選手たちは、今後、A代表入りを目指すことになる。ベネズエラ戦(15日・札幌)に向けた代表メンバー発表会見で、日本代表のザッケローニ監督は「1トップとしてはタイプが違う。起用するならサイドだと思う」と永井について語った。ロンドン五輪では1トップでプレーし、2ゴールという結果を残した永井だが、サイドでも問題ないと語る。

「チームでもサイドをやっていますし、1トップも(名古屋では)そんなにやっていないので、どちらかというと(自分は)サイドではないかなと思います。A代表の舞台しか、世界のチームと戦える舞台はないので、そういう舞台に立てることを目指します。もう一回、イチから体をつくり直して、コンディションを整えて戦っていきたい」と、快速アタッカーは力強く宣言した。

(取材・文 河合拓)

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