beacon

日本vsUAE 試合後のザッケローニ監督会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9.6 キリンチャレンジ杯 日本1-0UAE 東北電ス]

 日本代表は6日、キリンチャレンジ杯でUAE代表と対戦し、1-0で競り勝った。後半24分、DF駒野友一の左クロスからFWハーフナー・マイクがヘディングで決勝点。6試合ぶりに先発したハーフナーの11か月ぶりとなる代表戦ゴールでUAEを下した。

以下、試合後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「今日の試合はチェックの場という位置づけで、チームとしてどういう状態にあるのか、個人としての状態を見るのがこの試合の目的だった。こういった親善試合、テストマッチでは、良いことも出れば悪いことも出る。継続的ではなかったが、時にいいコンビネーションが出た。ただ、親善試合だからか、継続していいプレーというのができなかった。今日のゲームではセンターフォワードにハーフナーが入ったので、彼の特長を生かそうとクロスボールを何本も入れたが、グラウンダーのボールが多く、彼の特長を生かせなかった。1回高いボールを入れたときにはそれを生かせたのかなと思う。直近に大切な試合を控えている場合には、球際のところで行き切れない現象というのがよく起こる。試合の中でいくつかのプレー、いくつかのアイデアには気に入ったものもあったが、それをもっと高いスピード、高い精度でやっていかないといけないし、イラク戦ではそれを出していかなければならないと思う。外から、中から攻め込めた時間帯はよかった」

―守備面でよくなかったところ、満足したところは?
「今日の対戦相手のストロングポイントは、うちの陣内に入ってきてからの素早いパス回しから隙を突いたスルーパス、それに合わせるFWのスピード、いいタイミングで裏に抜け出してくるところだった。その相手のストロングポイントに対しては、ある程度対応できたと思うが、いくつかのタイミングでチャレンジ&カバーが成り立たないところがあったので、そこは修正しないといけない。その部分以外はうまく対応できたと思う」

―今日の試合のパフォーマンスはこれまでで一番低調だったと思うが、原因は?
「今日の試合が就任してから最悪のパフォーマンスだったとは思ってない。シュートの数からいっても、1年以上前にここでやったペルー戦の方が少なかったと思う。コンディションでは、国内組はシーズンを折り返したところだし、海外組は出ているメンバーもいれば、そうではないメンバーもいる。五輪に出ていたメンバーもいる。そういう意味でコンディションにはバラつきがあった。自分のサッカー観の中で大切な要素であるスピードの面では、ある程度慣れも関係してくるが、慣れていないチームメイトと一緒にやると、タイミングが一歩ずれてしまう現象が起きる。その意味では連係のところのスピードは足りなかったかなと思う。この試合に関して、結果よりも重要な項目に置いていたのが、選手のコンディションを上げるということ。試合が終わってみて、まあまあ個人的には満足しているし、サポーターの方もこれだけ五輪世代のフレッシュな選手が出たので喜んでくれているのではないかと思う」

―昨日できれば90分使いたいと言っていた長谷部が前半で交代した理由は? 香川の交代は予定どおりだったのか?
「長谷部に関しては昨晩の段階で考え直した。クラブのトップチームに再合流した事実もあり、日常のトレーニングで負荷がかかっている状態だったので、それを考慮した。あとは清武を見たかったのもあるし、清武、香川、岡崎がいい状態であるのが分かったから、次の試合に対しても準備は整っていると思う。できるだけ多くの選手のコンディションを確認したかった」

―イラク戦のメンバーの見極めはできたか?
「昨日言ったとおり、17人のメンバーをピッチに送って実際に見ることができた。現時点ではまだ何も決まっていなくて、次の試合まで何日間かあるので、そこまでに考えたい。次の試合は大切になるので、できるだけリスクのないチョイスをしたい。あとはこの試合を終えたあとの回復具合も考慮しながらイラク戦のメンバーを決めていきたいが、11人中、だいたい8人から9人は頭の中に決まったメンバーがいる。イラク戦は親善試合ではないので、コンディションのいい選手を使いたい」

―明日から4日間準備期間があるが、今日の試合を受けて計画どおりトレーニングができるか?
「自分のやり方として、トレーニングには技術面、戦術面があるが、1か月前からプログラムを組むのではなく、試合で出てきた課題やよかったところを見ながらメニューを考えている。チームとしてのコンセプトはあるし、選手も分かっているが、代表チームでは集まれない期間が影響して、プレーのスピード、連係のスピードが、流れるようなレベルにまではいっていないこともあるので、毎回毎回補正していくやり方をしている」

―CBの伊野波、水本の評価は? 決まっている8人、9人の中に吉田の相棒も入っているのか?
「2人の特徴として、両選手に共通して脚力もあるし、空中戦も強い。一人は技術があって、一人はフィジカルがある。今日は2人ともよくやってくれたと思う。DFライン全体の問題で、いくつかの場面で状況を読み切れず、うまく対応できていないところもあったが、これは2人の問題ではなく、DFライン全体の問題だと思う。吉田の横でプレーする選手が8人から9人に入っているかに関しては、11人中、8人か9人が頭に中にあるとしか言えない」

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ブラジルW杯アジア最終予選特集

TOP