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FP村上「カズさんに名前を憶えてもらいます」

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 11月1日に始まるフットサルW杯に向けて、24日に始動した日本代表。前日の23日にはFリーグの試合が行われ、多くの選手が出場していたこともあり、愛知県合宿の初日はリカバリー中心のメニューとなった。ミゲル・ロドリゴ監督は「明日のトレーニングからは戦術練習を行う」と話したが、FP村上哲哉(シュライカー大阪)も「チームの基盤をつくることが大事」と、残り2日の合宿で守備面の確認が必要だと強調した。

「ポルトガルとブラジルに関しては、DFの時間が長くなると思う。どうしても押し込まれるシーンが多くなるでしょう。ミゲルもずっとDFを基盤にしてきたので、まずはそこを統一して、少ないチャンスをモノにすること。それができれば、ブラジルやポルトガルを相手にも絶対にチャンスはある。僕の役割はDFの所だと思うので、そこを確認しつつ、この合宿で自分の良さを出していければなと思います」

 AFCフットサル選手権で、日本代表は優勝を果たした。しかし、6年ぶりにタイトルを獲得した一方で、決定力不足は深刻だった。ゴール前でフリーになりながら、シュートを枠に飛ばせずに、ベンチのミゲル・ロドリゴ監督が天を仰いだのは、一度や二度ではない。村上も「少ないチャンスをモノにすること」が、ブラジル、ポルトガルを倒す上で、必要不可欠だと語っているが、その『特効薬』として期待されているのが、森岡薫であり、三浦知良だ。この日のミニゲームでも多くのゴールを挙げた2人のピヴォの加入は「プラスになると思いますし、プラスにしないといけない」と村上は言う。

 そのためにも、2人がチームに溶け込めるようにしなければいけない。三浦と少し距離を置く選手が多い中でも、村上は積極的にコミュニケーションをとっていた。

「最初は遠慮がありましたが、僕の性格上、結構、話をしました(笑)。(内容は)挨拶とミニゲームのルールの確認をしたくらいです。カズさんも、すごく腰が低い人なので話しやすいですし、しっかりコミュニケーションをとることが大事。僕もいろいろ吸収していきたいと思います」

 まだ首に痛みの残る三浦は、横浜FCの練習に戻るため、25日の午前練習でフットサル日本代表チームを離れる。村上は三浦がチームを離れる前に、一つの課題を自らに課した。「カズさんはまだ誰の名前も憶えていないと思うので、今回の合宿で名前を憶えてもらえるように頑張ります」と意気込む。その三浦は「まだ選手たちの名前も顔も分からない。(分かるのは)ミゲルさんだけ」と認めた上で「でも、8年在籍している横浜FCでも、名前を知らない人がいるから」と冗談を飛ばしていた。果たして、村上の目標は達成されるだろうか。

(取材・文 河合拓)

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