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フットサル日本代表 ブラジル戦前日練習後 選手コメント

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 フットサル日本代表は23日、親善試合のブラジル代表戦に向けた練習を行なった。ウォーミングアップの後に、3対3の紅白戦を行った。この紅白戦は、プレスを掛ける側とプレスを回避する側に分けて行われ、自分たちから仕掛けていく、アグレッシブな守備戦術の確認をした。その後、セットプレーの確認を綿密にし、予定時間を約20分過ぎて、前日練習は終了している。

以下、ブラジル戦 前日練習後の選手コメント

●FP三浦知良(横浜FC)
―いよいよ明日ですが、心境の変化は?
「特にないですね。僕はみんなに引き上げてもらうだけなので。選手に頑張ってもらってね。まぁ、僕も選手ですけど(笑)。ここまでフットサル界を引っ張って来てくれた人たちに、引っ張ってもらわないと。僕はここではエースでもなんでもないですから、先頭に立ってやっている人たちに引っ張ってもらいたいし、僕も引き上げてもらいたい。明日は親善試合なので、もちろん100%でやらないといけませんが、試せるときなので、堂々と戦うことが大事だと思います」
―明日の試合は結果も考える?
「位置づけは難しいですね。勝って自信を付けるというのは、大きいと思いますけど。明日は3ポイントもないので。11月1日からが本番なんで、内容を見るべきかな、と思います。どこが今の日本代表のストロングポイントなのか、その逆はどうなのか。どういうことが起きてどうなったか。試合が終わってから、いろいろ分かることもあると思います」
―デビュー戦で、いきなり世界一とできるが?
「世界一のブラジルと最初から戦えますが、自分自身は初めてなのでね。自分は全力を尽くすだけ。精一杯やるだけなので。考え過ぎず、でも、しっかり考えながらやるだけです」
―ブラジル代表が45歳のカズ選手に脅威を感じているが?
「45歳っていうだけで、脅威は感じていないと思いますよ(笑)。選ばれているからだけでしょう。年齢っていうのは、数字で固定観念、イメージってあると思うんです。それは仕方がない。でも、ピッチに立ったら年齢は関係ない。とにかく偉大なるセレソンですから、思いっきってやるだけ。彼らが僕を脅威と感じることはないと思います。なんでそう言っているのかは、わからないです」
―第2PKの感覚はつかめた?
「やっぱり蹴るスペースというか、角度というか、ボールが入るところが少ないので。本当に良いコースを通るか、運もないとダメだなと思う」
―GKと駆け引きをしていたが?
「そこまで駆け引きの手応えを得るまでの感じは全然ないので、(第2PKは)蹴らないです(笑)。他に蹴ることのできる人は、いっぱいいますから」
―今週はDFを中心にやってきたが?
「今も言っていましたが、ほぼDFしかやっていませんよね」
―でも、試合になると、そうも言っていられない?
「そうですね。昨日のFリーグ西選抜もそうでしたけど、日本もカウンターが戦い方になると思う。ただ、練習ではカウンターに行く前にストップしていたからね。流すことがあまりなかったですけど、そこまで行けば。一つでもカウンターを多く出せれば」
―最後の円陣が長かったが、どんな話をした?
「なんか言っていましたね。3つくらい(笑)。お疲れ様です」

仁部屋和弘(バサジィ大分)
―残念ながらW杯メンバーから落選してしまいましたが?
「そうですね。しょうがないです」
―監督からは、どんな話をされた?
「日本でもトップの選手なのに、まだその力を3分の2くらいしか出せていない。力を出せているときもあるが、出せていないときもある。波があると言われましたね。それで、こういうことになったと。それから、4年後さらにもう1回は中心として出る選手だから。また新しいチームになったら、引っ張っていく存在なんだっていう話をされましたね」
―自分としては?
「もうコンディションが悪かったのでね…。少しずつ今、上がってきているんですけどね(苦笑)。でも、個人的に精神的な部分かなと思いました。疲れるのが早すぎるかなと。普段の生活で慣れていないというか、きつく感じるのが早い。そういう部分で、もうちょっと、容量を大きくしないといけないなと。今回のように遠征が続くと、合宿に入る前に疲れきっていたので。そういう部分でも、メンバー外になるのが決まっていたのかなと思います。疲れですよね。アジア選手権前もスペイン遠征で疲れてしまっていて、休みなく入って、ガーッと上げて、ガーッと疲れ切ってから、どう回復するか。そこをいかに疲れがなく持っていけるかは、課題かなと思います」
―カズさんには何か言葉を掛けられた?
「そのこと(落選)については、特に何も言われませんでしたが、みんなからは言われました」
―どんな言葉を掛けられたんですか?
「いや…。『今回外れるのは、仁部屋、仁部屋和弘』っていうのしかないですよね(笑)」
―え? イジられたんですか?
「はい。地元の人にも言われたり、あとは滝田くんですね(笑)。でも、そこまで精神的に今回外れたことでどうこうとはならなかったですね。むしろ仕方がないかなと」
―ブラジル戦、ウクライナ戦に向けては?
「いかに精神力を鍛えるかっていうのは、もう始まっていますからね。逆に言えば、上げることができれば、ピッチ内では自信を持っているので、そこだけです」
―ピッチ内では自信がある?
「正直……ピッチ内では誰にも負けない自信がすごくあります」
―今、かなり状態は良さそうだが?
「ここ最近の練習でも、体が動いていますよ。本当にやっとという感じで…。だから、あとは本当に精神力ですね。とにかく疲れが抜けなかったので。もっと人として大きくというか、ピッチ外でいかに成長していくかだと思います。そういうところを意識して、今後、立ち振る舞いでも人間性でも、上げていこうと。人間性を高めることを考えています」
―4年後に向けて?
「はい」
―明日の試合は?
「出ないんじゃないですかね? メンバーには入ると言われていますが、どうなりますかね。試合に出してもらったら、楽しむだけです」

●FP村上哲哉(シュライカー大阪)
―本大会のブラジル戦は、フィクソを小宮山選手と2人で回すが?
「特に監督からは何も言われていません。監督も会見で言っていたみたいですが、アジア選手権を含めて、フィクソというフィクソはいない中で組んでいたセットもありますし。そこは状況に応じてという形になると思います」
―明日の試合については?
「具体的な起用については、今日の夜か、明日の朝だと思うので、まだミーティングもしていませんが、(北原)亘が抜けるという、ある程度の想定で戦うと思うので。でも、僕らはピッチに出たらやるべき仕事は決まっているので、そこをしっかり締められればなと思います」
―フィクソがいないことについては?
「アジア選手権とはレベルが違うし、ブラジル、ポルトガルという相手には強い絶対的なピヴォがいるので、そこを抑えられるかどうかはすごく大きいと思う。僕らはマッチアップすることが多いので、そういった意味では役割ははっきりしていると思います。あとはミゲルがどういう選手起用をするかは、はっきりしていないので」
―今日の練習を見ると、前から行く守備をしそうだが?
「そうですね。基本的なスタンスは変わりません。ハーフウェーラインから押し上げていくDFは、この4年間で積み上げてきたものなので。僕らもDFに関しては自信を持っていますし、そこでプレスがはまれば、より高いところで取れればシュートチャンスも増えるので」
―昨日、ブラジルを見た印象は?
「まだ時差ボケを含めて、コンディションも上がっていません。ミゲル監督も言っていましたが、昨日のブラジルが本来のブラジルではないので。もっとコンディションも上がってきて、スピードも上がってくるだろうし。そういう意味では、参考にならないというと言い過ぎですが、全体的に重い感じはしました」
―印象に残った選手は?
「もう全員がボールを持てますし、特徴もある選手なので。スカウティングの映像も僕らはもらっているので、それを見ながら準備をしていきます」
―明日は何を確認したい?
「DFでどれだけ耐えられるか。より高いところでボールを取れるかっていうのが、ひとつです。あとは、要所、要所の時間帯で失点しないこと。集中を切らさないこと。僕も初めてですが、1点の重みが致命的になるので、それを感じながら、リスクマネジメントして戦いたいと思います」

●FP高橋健介(バルドラール浦安)
―本番前に出来るのは、日本にとって有利?
「一長一短だと思います。全く知らないでやって、それがゴールを起こせることもあるかもしれないですし、逆にこっちが慣れておくというメリットもあると思うので。でも、僕らは挑戦者という立場なので、どのプレーが通じて、どのプレーが通じないか。やってみて、ここが空かないというのを、ブラジルを相手にしたときの共通理解としてやれれば、プラスになるのではないかなと思います」
―日本の守備は変わらない?
「どうなんですかね。まだミーティングもやっていないので。ハーフから押し上げるのか、前からいくのか。そのどっちかだとは思いますが。前から行く可能性もあるのかなと、今日の練習では思いました」
―ブラジル相手に前から行く、勇気が必要?
「個々の力が強いので、こっちは組織的なミスを起こさないこと。個々では絶対にちぎられる場面が出てくるので、そこで早く修正して、チーム組織のレベルを確かめる上では、前から行くのは悪くないかなと思います」
―ポジションはどうなる?
「ピヴォに入っても、ボール回しに参加して入っていくと思うので」
―繰り返しになりますが、カズさんについては?
「もう120回目くらい聞かれましたけど(笑)。やっぱり練習に臨む姿勢、学ぶ姿勢は、この年齢まで第一線でやっているのは刺激になりますし、新しい挑戦をしていることについても、僕らの方に寄って来てくれていますし、良いファミリーというか、仲間になっています。技術的にもパスは上手いし、プラスアルファになる部分があるんじゃないかなと思います」

●FP小宮山友祐(バルドラール浦安)
―明日の試合に向けて?
「代々木の雰囲気も独特なものがありますし、チケットも完売していますし、多くの観客の方に見てもらえるのはフットサルにとっても良いことだと思います。ミゲル・ジャパンにとっても、W杯前に世界最強のブラジルと戦えることはすごく大きな意味がある。明日の試合は楽しみながら、でも、代表なので楽しむだけじゃなく、結果が常に求められるので、結果にこだわってやっていきたいです」
―本番を戦う相手に対し、どれくらい出すか?
「そうですね。さきほど監督もおっしゃっていましたが、自分たちのストロングポイントであるカウンターが、どこまで通用するか。自分たちは素早いと思っていても、ブラジルにとっては素早くないかもしれない。そういう意味では自分たちの武器がどれだけ通用するかは思い切って確かめたい。そこは出し惜しみではなくて、通用するかどうかは、やらないと分からない。通用すれば、カウンターは本当に警戒されていても、要はスピードと走る人数が多いか少ないか。上手い、下手ではなく、走れるか、走れないかだと思うので、そこは全力で出していきたいと思います」
―どう守る?
「うかつに飛び込んで抜かれるのではなく、長い時間、我慢して耐えることが必要になると思います」
―楽しみと不安はどっちが大きい?
「僕は楽しみしかないですね。こんな大きな舞台で、相手もブラジルですし。思い切ってやりたいです。これを大きなチャンスにしたいですし、ネガティブになってチャレンジする部分でできなければ、W杯に向けてもマイナスになると思うので、いい意味でW杯につなげたいと思います」
―最後の円陣ではどんな話?
「明日の戦い方ですよね。こういう厳しい試合になると思いますし、そういう試合でどう戦うかの最後の確認です。カウンターと、DFでアラから寄せること。いつも監督がおっしゃっていることを再度、確認して。それを徹底できるかどうかで、勝敗が決まるというのは常々、監督はおっしゃっています。前半20分は良い試合ができるけど、後半20分はどうしても差が開く。明日はその差を失くそうと。それは普段から言っているので、確認の意味で」
―合宿でDFに取り組んできたが?
「手応えとしては、紅白戦なので相手もどういう攻撃をしてくるか分かりますし、個々の特徴も分かっています。だから、守りやすいといえば、守りやすい。そこで手応えを感じたからと言って、ブラジル戦に反映されるかというと、そうではないと思う。やってみないとなんとも言えないですね。少しずつコーチングだったり、コミュニケーションだったり、ボールへの寄せは良くなっていると思いますが、紅白戦で良くなっても、ブラジル戦でどこまでできるかは別次元の話なので、明日の試合が大事だと思います」
―昨日、ブラジルを見た印象は?
「まだ重いのかなと。時差ボケ、疲れもあって、コンディションはまだかなと。ブラジルも明日がピークではなく11月1日だと思うし、まだ重そうでしたけど、後半のスイッチの入れ方を見ただけでもね。ちょっとでもスイッチを入れて本気になるだけで、アクセルを踏むだけで、次元の違うプレーがどんどんどんどん出てくる。ブラジルがどういうモチベーション、テンションで入ってくるかわかりませんが、僕らは最初から100%テンションマックスでいかないと勝てない。相手どうこうじゃなくて。ブラジルの調子が悪ければ、それに合わせる必要はないので」
―攻撃的な守備ですよね?
「日本ですか? そうですね。前で、前で、なるべく前で。引いて守るのではなく、なるべくアグレッシブにプレスをかけたいという監督の想いがあるので。4年前はべた引きしても、結局押し込まれて、シュートを外から打たれて大差で負けてしまった。そこを変える意味でも、チャレンジすることは間違いじゃないと思います。今のメンバーだとできると思います」
―構成もそれに合ったメンバーになっている?
「そう思います」
―監督は小宮山選手にリーダーシップを期待していると言っていたが?
「昨日もみんなに話をしましたが、試合の位置づけとしては、どうしても難しい。結果も、内容も求められるし、注目もされている。でも、一番大事なことは自分たちを信じてやることだと思います。この大きな舞台で、代表の重みを背負ってプレーすること。それはすごく大事なことですが、逆にとらわれ過ぎて、緊張して、いつものプレーができなくなるのは良いことではないので、リラックスして、厳しさの中にも楽しさを持ってやらないと、良いプレーはできないと監督も話していました。僕もそこはすごく同感です。このチームは、オンとオフの切り替えがすごく上手なので。練習、試合のときはピリッと緊張した良いモードになりますけど、ホテルに帰って、食事のとき、プライベートのときはゆっくりしています。カズさんも気を使ってくれて、いろんな話をしてくれて、すごく良い雰囲気でチームとしてはキャンプを終えることができたので。明日の試合も、そういう良い意味でオンとオフの使い分けができたらなと思います」

●FP森岡薫(名古屋オーシャンズ)
―日本はトップフォームじゃないとミゲル監督は言っていたが?
「確かに疲れはありますね。明日のためだけに準備をしてきたのではないので。僕らもW杯のために準備してきたので、トップフォームではないですが、ブラジルもそうではないので。状態としては、変わらないと思います」
―個人としては、何を試したい?
「やってみないと分からないのですが、ブラジルは相手のミスを必ず突いて来るチームですし、ミスしたところを相手が得点につなげてくる。できるだけ低い位置でミスをしないようにしたい」
―本番でやる相手ということで、難しさは?
「いや、戦いづらいことはありません。お互いに探り合うことにはなると思います。ブラジルがどういうモチベーションで来るかはわかりませんが、僕らは僕らの決まったことをするだけ。明日とW杯では、ブラジルも違うチームだと思うので、良い試合をして、経験して、次につなげていくしかないと思っています」
―日本代表になって初戦、気持ちは高ぶっている?
「それは、あります。もちろん、ありますが、国際試合は初めてですけど、フットサルをやっている期間は長いので、気持ちは熱くなっても、頭をしっかり使いながらっていうのは、常に心がけてプレーしたいです」
―チケットも完売したが?
「カズさんがいることで、たくさんの方々が見に来てくれるのは良い機会ですし、見に来て貰った人たちに、良いプレーを見せて、これを機に日本のフットサルを盛り上げないといけないし、盛り上げてほしいなと思います」
―家族は見に来る?
「来ます。初めてなんですけど、14人来ます」
―14人?
「はい。妻の家族を含めて。14人も来るから、何とか。みんなチケットを抑えてくれたので。僕も初めてですからね。日本代表として戦うのは。特別な気持ちです。良い試合をしたいですね。昨日、浜松でブラジル代表の試合を見ましたが、良い試合ができるのかなって、個人的に思いました。ふたを開けてみないとわかりませんが」
―覚えることは、覚えましたか?
「完璧というか、みんなミゲルが来て、3年かけて覚えたことなので、僕とカズさんは3回の合宿を終えただけなので、完璧かと言われると、そうではありませんが…。ある程度、試合に出るためにはそういうことも覚えていかないといけないので。ポジショニングだったりは覚えていますが、そこからのバリエーションがいくつかあるので。それは味方の足を引っ張らないようにしたいと思います」
―カズ選手が、あまりカズダンスやりたくないと言っていたが?
「じゃあ、やらないです(笑)。それはそうですよ!! 僕、一人でやれないですよ。やった瞬間から、口きいてくれなくなりますよ(笑)。ゴールしたら素直に喜ぶと思いますし、抱き合うと思いますし、歴史に残るゴールだと思うので。それはカズさんがカズダンスするなら、それはそれで」
―最後は円陣で、どんな話を?
「熱い気持ちで戦おう、みんな日本人だ。宮本武蔵だって。オレらは侍だって、監督が言っていました」

●FP木暮賢一郎(名古屋オーシャンズ)
―明日、新しく入ったカズ選手、森岡選手が点を取ることは景気づけになる?
「そうですね。まぁ、それはメディアのみなさんが一番うれしいんじゃないかなと思います。チームとしては誰が取りにいっても一緒だと思います。でも、やはりW杯ということを考えると、この2試合は重要なので、新しく入った選手であったり、(高橋)健介のように、点を取るべき存在なのに、この2年くらい点を挙げていない選手が点を取れたらいいなと思います」
―高橋選手、そんなに点を取っていない?
「さっきロッカールームでも、そういう話をしていたんですよ。でも、どんなスポーツでも、取るべき選手が取ることは良い雰囲気になると思うので。誰のゴールでもいいと思いますが、カズさんだったり、(森岡)薫だったりが点を取ってくれたら、盛り上がると思いますね」

(取材・文 河合拓)

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