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[AFC U-19選手権]初戦黒星から「開き直った」U-19代表、今大会初勝利!

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[11.5 AFC U-19選手権GL 日本1-0クウェート UAE]

 イランとの初戦を0-2で完敗し、後がなくなっていたU-19日本代表が決勝トーナメント進出への望みをつないだ。チームの柱・MF熊谷アンドリュー(横浜FM)は「(イランとの)試合が終わった時に監督が『開き直ってでも戦い直そう』と言った。チーム全体で切り替える事が出来たと思う。クウェートはイランより球際、1対1が強くなかったので、今日は僕たちが優位に進められたと思ってます。(クウェートは)個々が強烈じゃなかったので、まあ、やりづらさはあまりなかったです」と1-0で制したクウェート戦を振り返った。

 グループ4チーム中2位以内に入れなければグループリーグ敗退が決定。初戦から中1日のクウェート戦までの間、敗戦のショックから切り替えることがチームには求められた。吉田靖監督は「それはもう若いチームだから、勝っては喜び、負けては不安になる。そういうチームですね。ただ、どこでも一緒だと思う。その中でこの2日間はまず、やることをはっきりさせる、なおかつ自信を持たせる。我々がやってきたことをやれば、間違いなくやれるっていう、そういう風な感じでミーティングも2、3回間には入れて選手達には話しました」。勝ち点を計算するのではなく、クウェート戦に勝つことに集中した。

 6年前にチームを決勝へ導いている指揮官は大会前から「(過去アジア予選を)1回も簡単に上がったことはないと思います。どれも厳しかった」と警戒していた。だからこそ初戦で敗れても「僕自身は最初から開き直ってますから。イランに負ける事も想定しながら、全然」と引きずることはなかったという。ただ2敗することはできない。クウェート戦は勝つためにリスクを負って戦った。

「我々は勝たなきゃいけないので、どこかで無理して行く心づもりではいました。今回は攻撃の時はワンボランチ気味でいけと。松本はトップの近くで攻撃に絡めと指示しました」と吉田監督。FW久保裕也(京都)のパートナー役として動き出しの速さと技術の高さを兼ね備えたMF矢島慎也(浦和)を起用し、ボランチのMF松本昌也(JFAアカデミー福島)にはリスクを負って積極的に攻撃に絡むことを求めた。

 得点はセットプレーからCB岩波拓也(神戸)が決めた1点のみ。熊谷が「多分、みんなそう思ってるんですけど、シュートの精度、持って行き方が足りないと思う。改善したい」と語ったように攻撃の精度、バリエーションに欠き、ミスも多かった。それでも勝つことに集中して戦ったU-19代表は攻撃で主導権を握り、勝ち点3を獲得した。

 今大会初勝利。ただ、もちろん選手たちに気の緩みは全くない。熊谷は「次に進めるわけじゃないので、気を引き締めて次に挑みたい」。グループ2位死守と決勝トーナメント進出を懸けた最終戦の相手は開催国のUAEだ。吉田監督は「相手にアドバンテージがありますから。でも我々としては何としてでも、勝ち切ると。そうしない事には次のステージにいけないわけですから。何としてももう一個勝って、世界の切符は必ず取る。そういう強い気持ちがないと、こういうところは乗り越えられないと思う」。過去2大会連続でアジア予選敗退を喫している日本。グループリーグ最終戦、そして世界切符を懸けた準々決勝を突破して「世界の切符は必ず取る」

(取材 了戒美子)
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