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[AFC U-19選手権]2位キープ優先したU-19代表、結果残して世界まであと1勝

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[11.7 AFC U-19選手権 日本0-0UAE UAE]

 2位死守に切り替えた。U-19日本代表は7日(日本時間8日)、AFC U-19選手権UAE2012グループリーグ最終戦で開催国のUAEと対戦。グループA2位の日本は同3位のUAEに勝てば自力でのグループ2位以内と決勝トーナメント進出を決めることができたが、同時刻に開催されていた首位・イランと最下位・クウェートとの一戦でイランがリードしていたことから2位キープを優先し、“想定内”のスコアレスドローでグループ2位を決めた。

 吉田靖監督は試合後「いや、もう本当に、勝ちたいという気持ちはピッチに出てたんじゃないですか。良かったと思いますよ」と“ノルマ”を果たした選手たちを讃えていた。「(試合前には)基本的には勝ちに行くよと。間違いなく勝ちに行く。ただ相手(もう1会場)の状況をみながら、後半の真ん中をすぎたらちゃんと(経過を)教えるから、無理にいかなくいい、と。もちろん取りには行くんだけど、無理していかなくていい。そういう風な感じでミーティングで言いました。向こうが大差がついたのがすぐわかったので、あとはもう一番安全にグループリーグを突破する選択をしました。もちろん良い試合をするのが大切なんですけど」。勝つことができなかったことは確かだが、思惑通りの決勝トーナメント進出だった。

 UAEは地元観衆の後押しを受け、徹底してロングボールを放り込んできた。だが指揮官が「ロングボールに対してはある程度跳ね返せる」と自信を見せたとおりに日本は遠藤航(湘南)と岩波拓也(神戸)の両CB中心に跳ね返していく。警戒していたのはセカンドボールを拾われてから1対1を仕掛けられること。前半アディショナルタイムには右サイドでFWアンバールの突破を許し、後半44分には左サイドを個人技で破られて決定的なピンチを迎えた。だが試合終了間際のこのピンチは集中力の高かったDF陣が3人がかりでシュートコースを切って得点を許さない。

 MF大島僚太(川崎F)は「ディフェンス陣が頑張ってくれたので、自分たちはセカンドボールだったり、相手に蹴らせないっていう意識はもって走ってました」と振り返っていたが、熊谷アンドリュー(横浜FM)と松本昌也(JFAアカデミー福島)のダブルボランチだけでなく、指揮官から指示を受けていた大島と小野瀬康介(横浜FC)の両サイドハーフも攻撃面よりセカンドボール奪取を重視して守備面で献身的な動きを見せていた。また中盤は攻撃から守備への切り替え速く、相手に最後まで数的有利をつくらせなかった。そしてディフェンスラインの背後のスペースを確実に消していたGK櫛引政敏(清水)の存在。彼の好守もあって無失点で乗り切った。

 イラン、クウェート、UAEと中東勢3チームと戦ったグループリーグを1勝1分1敗で2位通過。吉田監督は「最初からこのくらいになると思ってました。もう本当に中東で中東とやるのは本当に厳しいので。最初からこういうぎりぎりの戦いになると思ってました。1位抜けとかそういうことは考えてないです」。ただ、次は世界切符獲得のために絶対に勝たなければならない準々決勝・イラク戦。「選手達もだいぶこう、一体感も出てきたし、のびのび出来るようになってきたので。あとはボクは選手を信頼してね、いきたいなと。我々が選んだ選手なのですから、本当にね、信頼して彼らに最後は任せようと思います」。吉田監督が指揮を執った07年U-20W杯以来3大会ぶりとなる世界切符獲得まであと1勝。厳しい戦いの中で結果を残した選手たちを信じてピッチへ送り出す。

(取材 了戒美子)
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