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オマーン戦を振り返るザック、本田らのコンディション管理は「難しい作業だった」

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 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督が28日、日本サッカー協会(JFA)の公式サイトで連載している手記を更新。14日に行われたW杯最終予選オマーン戦を振り返っている。

 アウェーでのオマーン戦。難しいゲームだったと振り返るザッケローニ監督は、まずはオマーンの気候に苦慮したと明かす。ロシアからの移動で寒暖差に苦しんだMF本田圭佑については次のようにコメントしている。

「ロシアのモスクワを生活のベースにする本田圭佑などは氷点下の極寒の地から気温35度の砂漠の国に来て、試合をするわけです。本田の場合、事前キャンプ地のカタール・ドーハには試合3日前の11月11日夜に到着しましたが、そういう悪条件が試合にどういう影響を及ぼすのか。把握に努めながらも読み切ることは難しい作業でした」

 また1-0で迎えた終盤、FW前田遼一(磐田)を下げて、DF酒井高徳(シュツットガルト)を投入。本田を1トップにして、長友を1列上げる戦術を採用した。このことについては「このときは同点を狙ったオマーンが前がかりになる状況が予想されました。攻め込まれる回数が増えたとき、センターフォワードの選手が前線でボールをキープして味方に回復の時間を少しでも与えてくれると助かります。そういう体を張った仕事はチームで一番パワーのある本田が適任だと考えた」と意図を説明。またオマーンの守備の穴を突く狙いもあったと明かす。

「左サイドの攻撃をリフレッシュする狙いもありました。酒井高は攻撃参加が得意ですし、長友も1対1に強い。実はスカウティングの結果、オマーンは右サイド(日本から見て左サイド)の守りに穴があることは試合前から分かっていました。レギュラーの右サイドバックが出場停止で、代わりに入る選手も、右サイドの中盤の選手もマークをずらしてしまうという情報を得ていました。フレッシュな酒井高、イニシアチブを果敢に取る長友がオマーンの右サイドを崩すことはかなりの確信がありました」

 勝ち点3を積み上げた日本は2位のオーストラリアとの勝ち点差を8に広げた。次戦、3月26日の敵地ヨルダン戦にも5大会連続のW杯出場が決まる。ザック監督は「前進した実感はない」とあくまでも一戦必勝を強調している。

「過酷なアウェーの試練を乗り越えてワールドカップ出場に向けて大きく前進した、とオマーン戦についてよく言われますが、私にはそれほどの実感はありません。大きな一歩というのなら、私にとっては予選のすべての試合がそうです」

「どんな相手でも、どんなタイプでも、どんな環境でも、どんな試合の流れになろうとも、最終的には勝利を手繰り寄せているチーム。どんなに苦しくても絶対に勝利をあきらめず、最後まで戦い抜くチーム、緩めないチーム。そんな可能性をオマーン戦の日本から皆さんも感じとってくれたのではないでしょうか」

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