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待望のトップ下先発も不完全燃焼の香川「前半のようではヨルダン戦は厳しい」

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[3.22 国際親善試合 日本2-1カナダ ドーハ]

 昨年2月29日のW杯アジア3次予選・ウズベキスタン戦(0-1)以来、約1年ぶりのトップ下での先発。“本職”のポジションで水を得た魚になるはずだったFW香川真司(マンチェスター・U)の試合後の表情は、晴れやかとは言いがたいものだった。

「トップ下うんぬんではなく、前半は球際やプレスのかけ方、すべてにおいて相手がうまくやっていて、こっちのやりたいことができなかった。前半のようではヨルダン戦は厳しい」

 その言葉どおり、立ち上がりからカナダに押された。高い位置でプレッシャーをかけられたCBがFW前田遼一(磐田)へロングボールを蹴る場面が多くなったが、香川のところでセカンドボールを支配することができず、相手に持たれてしまう。攻撃面でもFW乾貴士(フランクフルト)やFW岡崎慎司(シュツットガルト)との距離が遠く、コンビネーションプレーを思うように出せなかった。

「守備ではプレスが曖昧だったし、攻撃面は距離感が良くなかった。前半の途中から乾が中に入ってきて起点をつくれるようになったけど、それまでは形にとらわれすぎて、起点が見つからなかった」と、反省ばかりが口を突く。

 とはいえ、まったくダメだったわけではない。前半9分の先制の場面では香川の裏へ抜け出す動きが相手のミスを誘い、岡崎のゴールへとつながった。後半の勝ち越しの場面では、DF酒井高徳の左クロスにニアでつぶれてFWハーフナー・マイクの決勝点を呼び込んだ。最低限のことはやっていると言える。

「ヨルダン戦に向けて確認できたことはいっぱいある。ヨルダン戦でもロングボールを蹴られてラインが下がってしまうこともあると思うし、そこはしっかりやっていきたい」と自らを鼓舞していた。

(取材・文 矢内由美子)

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