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ロンドンからブラジルへ―ロンドン五輪世代の清武「自分たちがもっともっと突きあげていかないといけない」

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 ロンドンからブラジルへ――。4日に行われたW杯アジア最終予選オーストラリア戦(埼玉)にはDF吉田麻也(サウサンプトン)が先発フル出場し、FW清武弘嗣(ニュルンベルク) が交代出場。昨夏のロンドン五輪4強メンバー2人がピッチに立ち、W杯出場権獲得に貢献した。W杯予選を通して守備の柱としてプレーした吉田と、台頭して前線の一角を担う存在となってきた清武。ロンドンを経験した若武者たちの成長もW杯出場には欠かせなかった。

 ただ、清武はW杯出場決定から一夜明けた5日、「みんなが言っていたようにもっとレベルアップしていかないといけない」と語り、吉田は「あのままじゃ世界のチームと戦えるとは思えない。レベルアップしていきたい」と誓っていた。

 それぞれがチームのレベルアップの必要性を感じている。その中でロンドンを経験した20代前半の選手たちが、代表のレギュラーに食い込んでいくことでレベルをより引き上げることが日本のためにも重要。彼らのほかにも最終予選を通してDF酒井高徳(シュツットガルト)やDF酒井宏樹(ハノーファー)、GK権田修一(F東京)が代表に招集されてきた。そして今回のオーストラリア戦ではロンドン五輪で10番を背負ったFW東慶悟(F東京)や同世代のFW工藤壮人(柏)も初招集されたが、清武はまだ足りないと口にする。

「(ロンドン世代が)増えてきたと思いますけれど、自分たちがもっともっと突きあげていかないといけない。まだレベルアップしていかいないといけない」。W杯まであと1年。ロンドン五輪経験者たちが現在の主力たちからポジションを奪う可能性はある。より多くの選手が代表に食い込むチャンスももちろん、ある。それだけに同世代の選手たちのさらなる突き上げを求めていた。

 ロンドンから、コンフェデを経て来年、W杯に臨む。ロンドン五輪メンバーたちにとっては、それぞれが世界舞台で課題として残ったことを改善できたのか、より成長することができたのか確かめる場にもなる。吉田は「プレミアでもそうですし、オリンピックもそうですけど、レベルが高くなればなるほど、ワンプレー、ワンプレーが重要になってくる。上に行けば行くほど、何をやらなけばいけなくなってくるかというのは頭の中では分かっているんですけど、そこをピッチでどれだけ表現できるかはボク次第ですし、チーム次第。そういうチャンスがコンフェデ、ワールドカップと続くので、今まで形にできなかったことを表現したいと思います」と力を込めた

「(ロンドンから積み上げられたものは)何かしらあると思いますけれど、(五輪後)今までずっとプレーし続けてきたので振り返ることができていない。コンフェデはそういう意味ではテストというか、そこでできたことが1年で培ったものだと思いますし、できなかったことは課題として残ると思うので、凄く楽しみにしていますね」と吉田。コンフェデで対戦するメキシコ代表にはロンドン五輪金メダルメンバー9名が招集され、ブラジル代表もFWネイマール、FWオスカルら同世代の選手が名を連ねる。ロンドン五輪準決勝でメキシコに敗れている日本の選手たちにとって、まずコンフェデはその差が縮まっているのかどうかを確かめる舞台にもなる。

(取材・文 吉田太郎)

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