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日本vsウルグアイ 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[8.14 キリンチャレンジ杯 日本2-4ウルグアイ 宮城ス]

 日本代表は14日、宮城スタジアムでウルグアイ代表と対戦し、2-4で敗れた。日本は0-3の後半9分、FW香川真司のゴールで1点を返すが、同13分に4失点目。後半27分、FW本田圭佑が直接FKを決めて意地を見せたが、2-4の完敗に終わった。

以下、試合後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
―コンフェデレーションズカップで9失点した守備陣が今日も4失点したが?
「世界の強豪と言える相手との試合だった。コンフェデレーションズ杯でも準決勝と決勝を見たが、ウルグアイは素晴らしいチームだった。優勝したブラジルを最も追い詰めたのがウルグアイだった。そういう相手に対し、2点差が付くほどの実力差はないと思った。相手にも我々にも多くのチャンスがあった。得点を多く取ろうとするチームは失点のリスクを負うものだと言ってきたが、今日に関しては我々にミスが多く出た。逆にウルグアイはミスが少なく、そのことが勝敗を分けたと思う。

 代表チームは集まれない期間が長く、準備期間も短い。自分たちの思いどおりのプレーができないことはこれまでにもあった。フィジカルコンディションもウルグアイの方が少しよかった。これだけミスが多いのは想定外だったし、我々のコンディションが上がっていないのとも感じた。特に海外組はシーズンが始まって間もない。あまり試合に出ていない選手もいれば、コンディションが遅れている選手もいる。1日、2日でコンディションを見極めるのは困難だった。今日の試合は良かったところも悪かったところもあったが、ウルグアイの前線にいる選手は我々のミスを見逃してくれなかった」

―1失点目は高いラインの裏を突かれたが?
「相手がゴールに向かって走っていて、そこにボールを入れられる状態のときはDFラインを下げて対応するのがセオリーだ。映像を見ていないので確かなことは言えないが、選手は相手(ルイス・スアレス)をオフサイドポジションに置いたのではないか。DFラインを高く保つという指示は出しているが、時と状況を見ながら選択するように指示している。相手がフリーでボールを持っていて、裏に蹴るような状態のときにDFラインを高く保つほど愚かではないと思っている。最近、失点が多い理由は自分たちのミスが目立つからだ。これは監督の責任なので、できるだけ改善しながら、よりゴールが多く、より失点が少ないチームを目指したい。この試合のマッチメイクは私から協会にお願いをしたし、こうした厳しい戦いのときには失点もしてしまうが、これが唯一、我々が成長できる手段ではないかと思っている」

―世界のトップが相手でも微調整すれば同じ戦い方で勝てると考えているのか?
「我々には我々のアイデンティティーがあるし、それを貫き通さなければならない。W杯で優勝してほしいというリクエストは、今のところ私は受けていない。私が就任したときのノルマは日本代表をW杯に出場させること、そして私が就任したときよりもチームの質を高めて、世界の強豪との差を詰めていくこと。世界のトップに立てというリクエストは、今のところ聞いていない。もちろん、私は選手に全幅の信頼を置いているので、W杯ではトップに近いところまで持っていく自信はある。このチームのポテンシャルや実力を測るには、フィジカルコンディションが高まっていないといけない。そうした試合では常に素晴らしい戦いをしている。日本は体が大きなチームではないので、体の状態が良くなければ良いプレーはできない。コンディションが良いときこそ、日本の特長であるスピードに乗ったプレーができる」

―1トップで先発した柿谷の評価は?
「先発で使ったのは、クオリティーのある良い選手だからだ。ただ、代表に呼ばれ、試合に出たからといって満足せず、成長を止めないでほしい。ゆっくりでいいから、慢心することなく、このまま成長してほしいと思っている。同時に、彼自身にプレッシャーを与えたくない。伸びてきている選手なので、このまま成長を続けてほしいし、それができれば、また代表に手を貸してくれる存在になると思う」

―ハーフタイムの指示は?
「チームとして戦い方を共有し、一つになること。ピッチの中央で数的優位をつくり、スピードに乗ってスペースのあるところに仕掛けること。守備ではコンパクトに、相手にスペースを与えないようにすること。そうした指示を出した。後半はコンパクトになり、セカンドボールを拾えるようになった」

―吉田を交代させた理由は?
「伊野波を見たかったからだ。吉田はプレシーズンで1試合も90分間やっていない。90分間は無理だろうと思っていた。伊野波を見たかったのが一番の目的だった」

―「良いところもあった」というのは?
「前線で速いコンビネーションが出たときや、バイタエリアルで受けてコンビネーションが出たときは良かった。遠藤が攻撃に参加したときの形に良いものが出ていたと思う。チームがコンパクトになり、高いところでボールを奪うアグレッシブな姿勢があって、そこにDFラインが高いところで連動するときには良い形ができている。コンパクトに保てた時間帯があったことも良かったと思う」

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