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[SBS杯国際ユース大会]4発!U-18日本代表がロシアを圧倒して2連勝

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[8.16 SBS杯第2節 U-18日本代表4-0 U-18ロシア代表 草薙陸]

 16日、SBS杯国際ユースサッカー大会(静岡)出場中のU-18日本代表はU-18ロシア代表と対戦し、FW金子翔太(JFAアカデミー福島)の2ゴールなど4-0で快勝した。

 シュート数は19-3。試合後の記者会見でロシアのドミトリー・ウリヤノフ監督が「ロシアの方がダメでした。あらゆる面でロシアチームは負けていた」と語ったように、全体的にロシアの動きは悪く、特に終盤はMF川辺駿(広島)やMF小川直毅(G大阪ユース)、交代出場のMF望月嶺臣(名古屋)、MF田村翔太(湘南)らが仕掛ければ、ほぼ抜けてしまうような展開だった。それでも、10月のAFC U-19選手権予選(15年U-20W杯アジア1次予選)へ向けて3月の始動からほぼ固定したメンバーでチームを構築してきている日本は好内容。メンバーを入れ替えた終盤はややリズムを崩したが、それでも攻守でロシアを圧倒した。

 鈴木政一監督は言う。「個人個人の特長をお互いが理解して、共有して、サッカーがやれたらもっといい、バリエーションの多いサッカーになっていくかなと思う」。今回はJで経験値を高めているFW南野拓実(C大阪)やMF深井一希(札幌)といった主力候補が不在だが、連係よく、それぞれの良さを引き出す試合となった。立ち上がりこそ相手のプレッシャーにハマってしまっていた部分があったものの、日本はMF松本昌也(大分)と川辺のダブルボランチと最終ラインがボールを動かしてロシアDF陣の隙をつくり出すとスピードアップ。特に再三右サイドから切れ込んだ右MF関根貴大(浦和ユース)とトップ下の位置で抜群の動き出しを見せる金子の存在感が際立っていた。

 金子が相手ボランチとCBの間でボールを受けると、アタッキングゾーンでは周囲を活かす動きでチームを活性化するFW越智大和(広島ユース)を含めて非常にスピード感のある攻撃を展開。前半1分にこぼれ球を越智が左足で叩くと、13分には抜け出した金子がGKと1対1になる。これは決め切ることができなかったものの、15分にスコアを動かした。

 小川の右CKに飛び込もうとしたCB三浦弦太(清水)が相手のファウルを受けてPKを獲得。これを金子が右足で決めて先制した。さらに18分には左サイドの小川からパスを受けた金子が中央に空いたスペースへドリブルで切れ込み、右足を振りぬく。これがゴール右隅を破るファインゴールとなり、あっという間に2-0とした。

 ロシアは日本の背後を狙い、中央で隙を突いたMFマキシム・エルマコフが右足を振りぬく場面もあったが、日本のプレッシャーの速さに苦しみ、なかなか相手を脅かすことができない。逆に日本はPAでDFを鮮やかに抜き去った関根のラストパスから小川が決定的なシュートを放ち、金子が積極的に3点目を狙うなどロシアを攻め続けた。
 
 そして日本は後半4分、左SB尾身俊哉(横浜FMユース)が個で左サイドを打開すると、ゴールライン際までえぐってラストパス。ニアサイドへ飛び込んだ越智がワンタッチでゴールへ沈めて3点差とする。11分には三浦の右足FKがクロスバーを直撃、23分には左サイドを縦に突いた田村のラストパスのこぼれを、交代出場のFW北川柊斗(名古屋U18)が押し込んで勝負の行方を決定づけた。

 大差がついたことで日本は交代枠6つを活用し、フィールドプレーヤー全員が出場。ミスからカウンターを喰らうシーンもあったが、攻めて押し切った。CB内山裕貴(札幌U-18)、GK高木和徹(清水ユース)ら守備陣は2試合連続無失点。アジア予選のシュミレーションとして捉えている大会で2戦2勝とした。鈴木監督は「昨日のゲーム(ウルグアイ戦)より常に質をあげようという点では攻守ともにいいサッカーをしてくれたと思います。攻撃でも守備でもまだまだ甘いところがあったり、ミスがあったりする。技術的なミスもあると思うけれど、これは少しでも消していかないといけない」と引き締めた。U-18日本代表は18日の最終節で同じく2戦2勝の静岡ユースと対戦する。

[写真]前半15分、日本は金子のPKで先制

(取材・文 吉田太郎)

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