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13年は5勝3分4敗、なでしこ佐々木監督「反省の部分多い」

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[9.26 国際親善試合 日本女子2-0ナイジェリア女子 フクアリ]

 22日に長崎で行われた国際親善試合と同じ2-0のスコアでナイジェリアに連勝をおさめた日本女子代表(なでしこジャパン)の佐々木則夫監督は「長崎でも2-0で、ここでも2-0。グループ的にはドローかなと思う」と、2連戦を振り返った。

 試合ごとに異なるメンバー編成を組み、両方の試合でメンバー入りしたのはMF宮間あや、MF川澄奈穂美、FW大儀見優季の3選手のみ。計41選手を招集し、30人を実際の試合で起用した。15年のカナダ女子W杯、16年のリオデジャネイロ五輪に向け、若手のテストや発掘、戦力の底上げを狙った2013年は3月のアルガルベ杯、7月の東アジア杯を含めて計12試合を戦い、5勝3分4敗。13年最終戦となったこの日の試合に勝って、ぎりぎり勝ち越すことはできたが、世界女王として満足いく結果ではなかった。

「負けてはいけない相手に負けたり、内容は悪くなくても勝ち切れない試合が多かったことについては反省の部分が多い」。そう率直に総括した指揮官は、若手選手たちに対してもあえて厳しい言葉を投げかけた。

「球際の深さという部分では、大儀見も澤もチャージの深さが習慣になっている。チャージできるポジショニングを取るというところが習慣としてできているか。世界を経験している選手は当たり前のことを当たり前にやっている。そういう意味で経験値の差は埋め切れていない」

 世界一に上り詰めた11年のドイツ女子W杯、銀メダルに輝いた12年のロンドン五輪。世界の舞台で戦い、勝ち抜いてきた常連メンバーに追いつくことは容易ではない。しかし、佐々木監督が15年の女子W杯、16年にリオ五輪に向けて描く青写真は、あくまで新戦力が加わり、選手層もチーム力も12年時点より高まった“新チーム”を完成させること。その意味で物足りなさが残ったことも確かだ。

「絵はできているけど、色がまだまだ入っていない。青写真はできていても、色を埋める選手、若い選手がまだまだ出てきていない」。14年は、W杯予選を兼ねたアジア杯(5月、ベトナム)を勝ち抜くという「結果」とともに、チームの成長をさらに加速させたい1年になる。

 来年もなでしこジャパン、なでしこチャレンジ、ユース年代の代表選手たちが一堂に会す合同合宿からスタートする予定だ。「そこではもう一度、若手やリーグの後半戦でがんばっている選手を見極めたい」。その後は春にポルトガルで開催されるアルガルベ杯に出場したい意向を持っており、「アルガルベ杯しかW杯予選(アジア杯)の準備はできない。そこではベストメンバーを組んだチームにする」と明言。「アジア杯は今まで優勝したことがないので、優勝を目標にしていきたい。その後はまた試行する時間があり、年明け(15年)からチームに仕上げていく時期になる」と、15年の女子W杯に向けた強化策を明かした。

(取材・文 西山紘平)

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