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敵地で3発逆転!!ザックジャパンがW杯第1シードのベルギーを撃破

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[11.19 国際親善試合 日本3-2ベルギー ブリュッセル]

 日本代表は19日、ベルギー・ブリュッセルのボードワン国王スタジアムでベルギー代表と対戦し、3-2で逆転勝ちした。前半15分にミスから先制を許した日本だが、同37分にFW柿谷曜一朗が同点ゴール。後半8分、MF本田圭佑の2戦連発弾で勝ち越すと、同18分にはFW岡崎慎司が追加点を奪った。後半34分に1点を返されたが、そのまま3-2で逃げ切り、敵地でFIFAランキング5位のベルギーを下したザックジャパン。2013年ラストゲームを白星で飾り、オランダ、ベルギーという欧州の強豪との連戦を1勝1分で終えた。

 日本は16日のオランダ戦(2-2)から先発6人を変更した。GK川島永嗣、FW香川真司、柿谷が2試合ぶりに先発し、DF森重真人とDF酒井高徳は9月6日のグアテマラ戦以来、5試合ぶりの先発。DF酒井宏樹は6月22日のコンフェデレーションズ杯・メキシコ戦以来の先発となった。DF吉田麻也、MF長谷部誠、MF山口螢、MF本田圭佑、FW清武弘嗣はオランダ戦に続いて先発した。
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 完全アウェーでの一戦は前半開始早々の1分にFWケビン・ミララスが右サイドから切れ込み、左足でミドルシュート。ホームの大観衆の後押しを受け、積極的な入りを見せた。日本も慌てることなく、ベルギーの攻撃に対応。攻撃でも落ち着いてパスをつなぎながら好機をうかがった。

 ところが、試合は思わぬ形で動く。前半15分、ベルギーは1本の縦パスからFWロメロ・ルカクが左サイドのスペースに飛び出す。川島がゴールを空けてPA外まで飛び出したが、ルカクが一歩早く縦に抜け出し、ゴール前に折り返した。ゴール前には酒井高もカバーに戻ってきていたが、背後から詰めてきたミララスに前に入られ、ミララスが無人のゴールに難なく押し込んだ。

 オランダ戦に続いてミスから先制を許した日本はその後もなかなかリズムに乗れない。ベルギーの個人技とフィジカルに押し込まれる時間帯もあり、苦しい展開となった。何とかセットプレーからチャンスをつくる日本は前半30分、清武の左CKからショートコーナーでつなぎ、本田がゴール前にスルーパス。PA内左で受けた香川は縦に仕掛け、角度のない位置から左足を振り抜いたが、惜しくも左ポストを直撃した。

 前半31分にはゴールほぼ正面の位置から本田が直接FKを狙る。これはGKのセーブに遭ったが、徐々に流れを引き寄せると、前半37分に同点ゴールを奪った。右サイドでボールを持った本田がスペースにスルーパス。オーバーラップしてきた酒井宏のクロスに柿谷が飛び込み、ヘディングでゴールネットを揺らした。

 1-1の同点に追いついたことで落ち着きを取り戻した日本はベルギーの攻撃にも粘り強く体を張る。前半45分には自陣でボールを奪った香川がドリブルで駆け上がり、左サイドに開いた柿谷へ。カウンターからチャンスを迎えると、柿谷が中央へマイナスに戻したボールを長谷部が右足ダイレクトでミドルシュートを打ったが、GKの好守に阻まれ、前半は1-1で折り返した。

 日本はハーフタイムに2人を交代。山口、清武が下がり、MF遠藤保仁、岡崎が入った。ベルギーもFWエデン・アザールに代えてMFマルアン・フェライニを投入。4-2-3-1からMFアクセル・ビツェルを中盤のアンカーに置いた4-3-3にシステムも変更した。

 遠藤の加わった後半はボールポゼッションも高まり、日本がリズムよく試合を進める。すると後半8分、左サイドから遠藤が中央に入れたボールを本田がコントロールし、右足でシュート。PA手前からのミドルシュートをゴール左にねじ込み、2-1と逆転に成功した。

 失点直後にはスタンドからブーイングも飛んだベルギー。後半から中盤に入ったフェライニをターゲットにしたハイボールをシンプルに使いながら日本を押し込んでいく。それでも日本の選手は体を張って対抗。辛抱強く我慢し、後半18分には追加点を奪った。

 右サイドでボールをつなぎ、酒井宏からパスを受けた長谷部がゴール前に浮き球のパス。柿谷がワンタッチで落としたボールに岡崎が抜け出し、右足を振り抜いた。鮮やかな攻撃でベルギーのディフェンスを崩し、3-1。一気に2点のリードを奪った。

 得点直後、柿谷に代わってFW大迫勇也がピッチに入った日本。ベルギーには焦りの色も見え始めたが、やはりシンプルな高さは日本にとって脅威だった。後半31分、FWケビン・デ・ブライネの右CKからDFダニエル・ファン・ブイテンがクロスバー直撃のヘディングシュート。同33分にはスルーパスに抜け出したFWイェーレ・フォッセンのシュートを至近距離で川島が防ぎ、こぼれ球をフォッセンがもう一度狙ったが、今度は吉田が体を張ってブロックした。

 何とか耐えていた日本だが、ベルギーは後半34分、デ・ブルイネの右CKからDFトビー・アルデルワイレルトが豪快なヘディングシュート。フリーでゴールに叩き込み、1点を返した。1点差に追い上げ、4万2979人の観衆も息を吹き返す。勢いに乗って日本を攻め立てた。

 再び守勢に回る日本は後半37分、香川に代えてMF細貝萌を投入。細貝は長谷部とダブルボランチを組み、遠藤がトップ下にポジションを上げ、2列目は右から本田、遠藤、岡崎となった。同40分には酒井高に代わってDF今野泰幸がピッチへ。今野はそのまま左SBに入った。守備を強化し、逃げ切り体勢に入った日本。後半アディショナルタイムの4分間も耐え抜き、完全アウェーの中、来年のブラジルW杯で第1シードが確定しているベルギーを3-2で撃破した。

(取材・文 西山紘平)

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