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4/9A代表候補練習試合後のザッケローニ監督コメント

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[4.9 練習試合 日本代表候補2-0流通経済大]

 日本代表候補は千葉合宿最終日の9日、流通経済大と練習試合を行った。前半は0-0で終えたが、フィールド選手を総入れ替えした後半30分にFW川又堅碁、同35分にFW南野拓実がゴールを決め、2-0で勝った。

以下、練習試合後のザッケローニ監督のコメント

アルベルト・ザッケローニ監督
―選手にはどんな指示を?
「一昨日と昨日の練習で情報を詰め込んでいたので、今日はあまり詰め込みすぎないように心がけた。これまでスタンドから見てきた選手が多かったので、手元に置いて目の前で見て、彼らの能力を見たいというのが一番の目的だった。チームのやり方と代表のやり方は違うということを考慮したうえで、選手の情報量を増やすために合宿に臨んだ。

 こういったメンバーが代表チームにいるのはJリーグでの活躍があってこそだと思う。当然、他にも多くの見たい選手がいたが、(招集できる)人数は限られているし、スケジュールもタイトなので、なるべくニューフェイスを見たいと思った。メンバー発表まで、日にちも残り少なくなってきた。それまでにできるだけ多くの情報を集めたい。能力だけでなく、コンディションもだれがいいのかを見極めないといけない。

 今日の試合で気に入った選手がいたのかどうかを聞きたいだろうが、私は試合では常にいいものだけを見ている。選手には『ヨーロッパの視察から戻ってきたら、また国内でみんなのことをしっかり見る』と伝えた。並行してスタッフが国内組の視察を続けるので、万全の視察の状況ができている」

―川又と南野が点を取ったが?
「選手には常にできるだけゴールを決めるようにと言っている。ゴールを取ることで一般の方には記憶に残るし、名前も残る。ただ、彼らがゴールを決めた瞬間は違うパートを見ていた(笑)」

―W杯メンバー発表まで残り1か月だが?
「360度、全面的に何一つおろそかにすることなく、情報を集めたい。平等に国内組と海外組を見ていく。ヨーロッパから戻ってきたら、Jリーグが少ない日数でかなりの試合数がある。たくさん試合を見ていきたい」

―まだまだ23人の枠に食い込むことは可能か?
「当然、4年間やっているので、コンディションがいい前提でベースとなるグループはあるが、ブラジルの気候や条件、移動などを考えると、コンディションのいいメンバーが代表に入ってくるべきではないかと思っている」

―後半の途中から南野と原口、塩谷と鈴木がポジションを入れ替えたのは指示か?
「事前に決めていた。塩谷も鈴木も、右もCBもできる。南野と原口にも同様のことが言える。クラブであれば、チームメイトとは慣れているので、素早いコンビネーションやスムーズなプレーができるのは当然だが、このような慣れない中に入って、コンビネーションを出せるのか、出せないのか。出せるのならコンビネーションが得意な選手ということだし、それを見極めることが大事だった。できたことを評価するのではなく、何をしようとしていたか。この3日間で何ができるのかを見ていこうと思っていた」

―ゴールに至る経過も大事ということか?
「個人的にはテレビでの観戦は好きではない。どうしてもカメラはボールを追いかけるので、それ以外が見えない。チームはボールがないところでもチームになることが大事。もちろん、テレビを批判しているわけではない(笑)」

―期待していた成果は得られたか?
「選手はすごく聞く耳を持って取り組んでくれた。目的は情報量を増やすことだったが、選手は代表チームに呼ばれたことでしっかりアピールしようと自分のプレーを出してくれたと思う。個人的に、この3日間は非常に大切になる。情報量がすでにたくさんある選手がここにいないのは偶然ではない。情報量が少ない選手を手元で見たかった」

―予想以上の驚きはあったか?
「例えばクラブと異なるポジションをやらせたが、いけるかなというポジティブな反応があったことはよかった」

―川又をこれまで呼んでこなかったのはなぜか?
「川又の話をするとなると、他の22人の話もしないといけない。個人の話に言及するのはどうかと思うが、問題になっているのは人材不足による悩みではなく、人材豊富ゆえの悩みということ。時に監督は人材不足という状況が多いが、そういう状況ではない。選手全員が健康で、コンディションが良いことを祈っている」

―宿舎などピッチ外での選手の様子はどう見ていたか?
「基本的にはそっとしておいた(笑)。ピッチでは代表のやり方を教えたが、当然、生活面では、話すのが好きなタイプや寡黙なタイプ、笑顔が多いタイプなどがいる。プレー面、プレー以外の面で主観では判断していない」

―5月12日ギリギリまで悩むことになりそうか?
「できる限りギリギリまで悩みたい」

(取材・文 西山紘平)

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