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8年前を思い出す遠藤「ドイツW杯のときに似ているけど…」

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 8年前の二の舞を演じるわけにはいかない。2日のコスタリカ戦に3-1で逆転勝ちし、国際Aマッチ4連勝を飾った日本代表。ブラジルW杯が迫る中、チームの調子は上向きだが、4日午前(日本時間5日未明)にチーム宿舎で取材に応じたMF遠藤保仁(G大阪)は「コスタリカに勝ったからと言って、自分たちが何かを得たわけではない。あくまでW杯本番に向けての準備。いい緊張感と高い集中力、モチベーションを練習でも試合でも出していかないといけない」と冷静に語った。

 4年前、国際Aマッチ4連敗で本番を迎えた南アフリカW杯。本大会直前の戦術変更も相まって、危機感を持った選手たちが一丸となり、V字回復で16強入りを果たした。前回大会とはまったく異なる現在の状況はむしろ、本大会直前の国際親善試合で強豪ドイツと2-2の引き分けを演じるなど、前評判も高かった2006年のドイツW杯に似ているのではないか。いずれの大会にも参加している遠藤には、そうした質問も飛んだ。

「ドイツのときに似ていると言ったら似ているけど。それは前から思っていた。ドイツのときも、国内でフィジカルを上げてから(ドイツに)入った。でも、気にしないので」

 8年前、福島のJヴィレッジで国内合宿を張ってから日本を出発したように、今回も鹿児島・指宿合宿でフィジカルトレーニングをこなし、事前キャンプ地の米フロリダに入った。

「ドイツを経験しているのは僕だけだと思うし、みんなは知らないから。僕がいくら説明しても伝わらないと思うし、僕自身は感じ取ってますけど、前回(南アフリカW杯)の悔しさを知っている選手が今のチームの中心にいるので。もう1つ2つ上まで行きたかったという気持ちが今もあると思う」

 本大会に向かう流れは偶然にも8年前と似ているが、チーム状態や選手の心理面までが似ているわけではないと遠藤は言う。むしろ“16強止まり”だった4年前を上回ろうと、だれ一人、現状に満足することなく、自信と危機感が程よく混在している。

「常に上を目指す気持ちを全員が持っている。高い目標を掲げているし、選手個々を見てもヨーロッパの大きいクラブでプレーしている選手が多いし、そういう個人の経験が増えたことがこのチームの強みでもあると思う」

 6日のザンビア戦が終われば、いよいよブラジル入りする。14日のW杯初戦となるコートジボワール戦まで、あと10日。「まず次の試合を自分たちが手応えをつかめるものにしたいし、そこからブラジルに移動して、練習の中でいかに良い雰囲気と緊張感を出しながらやっていくか。そこはW杯を経験している選手の力が発揮されると思う」。自身3度目のW杯に挑む遠藤。過去の経験を無駄にするつもりはない。

(取材・文 西山紘平)

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