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U-16日本代表を活性化した桂、菊地の両SB、最終ラインの序列変えるか

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 U-16日本代表は22日、「U-16インターナショナルドリームカップ2016 JAPAN Presented by JFA」初戦でU-16ハンガリー代表に4-1で快勝した。チームの推進力となっていたのが、DF桂陸人(広島ユース)とDF菊地健太(JFAアカデミー福島U18)の両SBだ。23日午前のトレーニング後、2人はそれぞれ役割を果たせたことを喜び、次へ向けてまた引き締めていた。

 右SBとして先発した桂は「少し受け身になったというのはある」と対峙した快足FW相手に守備意識が高くなった試合について反省していたが、それでも前半23分には右サイドをタイミングよく駆け上がり、ピンポイントクロスでMF上月壮一郎(京都U-18)のゴールをアシストした。広島ユースでは3-6-1のシャドーを主に務める桂は、5月の中国遠征からU-16代表のSBにチャレンジ。当時はクロスが「6本に1本くらいしか上がらなくて……」と振り返るが、帰国後に連日30本の居残りクロス練習をするなど強化してきた成果をこの日発揮した。

「結構嬉しかったです」と桂。攻撃面ではクロスの他にもゴールライン際を鮮やかに破るドリブルで決定機を演出した。対人の強さを発揮し、また攻撃を活性化するという役割を果たしたことについては笑顔を見せたが、「(クロスについては)だんだん蹴れるようになったんですけどまだ自分の武器になっていないので、ものにできるようにしたい」と引き締めていた。

 一方、「先ず相手は体格がいいんで球際で絶対にやられない。自分のサイドから絶対にやられない気持ちを持って入りました」という菊地は左サイドで攻守において走力を発揮。積極的に前に出る動きで相手のサイド攻撃を潰し、自陣ゴール前で決定的なラストパスをクリアしていた一方、攻撃面でもコンビネーションで最前線まで抜けだして決定的なシュートを放った。

 憧れの選手について「長友(佑都)選手です」と挙げるSBは逆サイドの桂の奮闘も刺激に躍動。「陸人もクロスボールで良いボールを上げていたんで自分も負けられないと思ってチャンスをつくってやろうと思っていました」。90分間走りきって快勝に貢献した。
 
 DFラインに怪我人が続いている中、レギュラー奪取を狙う2人にとってはアピールチャンス。桂は強敵・マリとの第2戦(24日)へ向けて「もっともっと積極的にいきたい」と意気込み、菊地は「(マリは)フィジカルも、技術もあって手強い。一歩がデカいんで速く判断しないとやられてしまう。(でも)やれないことはないです」。初戦でチームを活性化した両SBはまだ絶対的な存在ではない。だが、今大会で序列を変える。

[写真]ハンガリー戦でアピールした桂(左)と菊地

(取材・文 吉田太郎)

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