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OGの藤春に恩師がエール、「あいつは大丈夫」

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 恩師が熱くエールを送った。大阪体育大の坂本康博総監督が“愛弟子”でリオ五輪代表のDF藤春廣輝(G大阪)を思いやった。

 藤春は7日に行われたリオデジャネイロ五輪のコロンビア戦、0-1の後半20分にオウンゴールを献上。チームはそこから2点を奪って引き分けたが、試合後は責任を感じて涙を流していた。その後、チームのフォローもあり、笑顔を取り戻した藤春だったが、運命のスウェーデン戦を前に、恩師は改めてそのメンタルに太鼓判を押した。

 リオ五輪の試合をテレビ観戦していた坂本総監督。オウンゴールのシーンもしっかりと確認したといい、「左利きで右足が蹴れないから。あいつのガラスの右足だから、仕方ないとは思うんだけれども……」とユーモアを交えて話すと、「あの場面はちょっとボールにバウンドがかかって、不運な点もあった。難しい状況だったんだろうけれども、あそこは本人しか分からない」と思いやる。

 そのメンタルが心配される藤春だが、坂本総監督は「大丈夫でしょう。あいつはメンタル的には問題ないです。次に使ってもらえるとしたら、しっかりとベストを尽くしてやると思いますよ」と言い切った。愛弟子をよく知っているからこそ、出る言葉だった。

 東海大仰星高時代は全国出場こそしたものの無名だった藤春だが、大学4年間で大きく成長するとJリーガーになる夢を叶えた。大学2年時には総理大臣杯優勝も経験。大学4年時には関西学生リーグ2部のアシスト王にも輝いた。そして2011年に大阪体育大からG大阪へ入団。大学4年間を時には厳しく、時には優しく見守ってきたのが坂本総監督だった。

 リオ五輪出発直前には二度ほど顔を合わせたといい、愛弟子へは「若手の中にOAで入るのだから、チームの若いやつを引っ張っていけるような状況を作り出せ」とエールを送ったという。

 熱き指揮官は最後に藤春へのエールを問われると、「勝て!! 何が何でも勝て!!ですね」と温かく微笑んだ。多くの人が藤春を支え、その活躍を待っている。

(取材・文 片岡涼)

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