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[SBS杯]市船日本一へ導いた原はボランチとしてフル出場、年代別代表デビュー戦で存在感放つ

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[8.11 SBS杯国際ユース第1日 U-19日本代表 0-1 U-19コスタリカ代表 藤枝総合]

 市立船橋高の全国高校総体優勝に大きく貢献したDF原輝綺は、年代別日本代表として初の国際試合。その対応力の高さや万能性については代表チームスタッフも賞賛していたが、そのDFが代表デビュー戦で堂々のプレーを見せた。

 市立船橋で主に務めているCBではなく、今回のU-19代表合宿では2日目からボランチ。この日も、市立船橋のチームメートであるCB杉岡大暉に後方を支えられる形でボランチとして先発し、80分間奮闘した。本人は「まだまだです。課題だらけです」と首を振ったものの、CB、SB、ボランチと守備的ポジションをハイレベルでこなす原は豊富な運動量とバランス感覚の高さによって中盤のスペースを消し、ボールを奪い取り、またボールに多く絡んで攻撃を組み立てた。1タッチのパスなどで攻撃にリズムを生みながら、チャンスあれば縦パスにトライ。パスミスでカウンターを許すシーンもあったために、本人に満足感はなかったが、それでも十分に存在感ある動きを見せていた。

「まずはチームのテーマが仕掛けて奪うということなので横パスを誘い出して奪うということは意識していました。(個人としてはまず)チームのためにしっかりと走ろうと思っていたので、奪うことも含めてそれはできたかなと。もっとボールに絡んでさばいていけたらもっといいのかなと思います」と原。加えて、本人はよりボールを奪ってチームを落ちかつかせること、そして周囲を動かしてボールを奪うことについてもより表現していく意気込みだ。

 試合後は地元の少年ファンたちのサイン攻めに丁寧に対応。原は名門・市立船橋では2年時から主力を務め、一足早く年代別日本代表や日本高校選抜を経験した「ライバル」杉岡と切磋琢磨しながら成長を遂げてきた。現在、Jクラブ加入が決定的となっている原にとって、4年後の東京五輪へ向けたスタートにもなったコスタリカ戦。「(五輪は)意識はしますけれど高望みせず、今このチームに何がプラスか考えながらしっかりとやっていきたい」。無名だった才能は一つひとつ積み上げて、世代を代表する存在という評価を勝ち取った。これからも先を見過ぎることなく、一つひとつ代表チームでの信頼を積み上げていく。

(取材・文 吉田太郎)

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