繋げた無失点リレーのバトン。出場ゼロのU-19日本代表CB板倉滉が秘めた思いと確かなアピール
[10.27 AFC U-19選手権準決勝 日本 3-0 ベトナム]
常に明るく振る舞うその姿勢は、練習場でも際立っていた。CBというポジションの特性上、途中出場のチャンスも乏しく、このAFC U-19選手権の出場機会はゼロ。それでも板倉滉(川崎F)は「もしかしたらアクシデントがあるかもしれない。そのときのために準備をしないといけない」と前向きな姿勢を崩さず、コンディションが落ちたと見れば補強トレーニングを行うなど、意識高く自分の状態を保ち続けてきた。ただ、一人の選手として、試合に出られない現実に対する気持ちは当然あった。準々決勝終了直後、こんな言葉を残している。
「来年に繋がったのは本当に大きいことですけれど、そこに自分が関われていないことについては正直、悔しい思いはあります」
ただ、そう語りつつも、同時に「みんながこうやって繋いでくれたわけですし、またどこでチャンス来るのか分からないので、頑張っていきたい」と前を向き、翌日の練習に臨んだ。そして前日練習前のミーティングで、まさかのターンオーバーが告げられる。ここまで出場ゼロの男も、同じくゼロだったCBの町田浩樹(鹿島)と共にピッチへ立つことに。「練習から二人で組んできた」という両者が、並々ならぬ気持ちでベトナムとの準決勝に向かったことは言うまでもない。
もっとも、「出場すること以上に、ここまでずっと無失点で来ているプレッシャーはありました」と笑い飛ばしながら振り返る辺りは板倉らしい。「自分はそんなに緊張とかしないんですけれど、最初のコントロールとパスは気を遣いました」と慎重に試合へ入ると、「(町田とは)お互いに高さでは絶対に負けない自信があるので、チャレンジ&カバーを意識しながら相手のカウンターに対応する」ことを意識して、最後まで戦い抜いた。
さらに開始6分の先制点は、持ち前の高さが生きて「1アシストが付いちゃった」(板倉)形。岸本武流(C大阪)のゴールをアシストして、初めての出場機会での勝利に大きく貢献してみせた。皆の前でそんな素振りは見せずとも、「ずっと、やっぱり出たかったから」。無失点リレーのバトンを見事に繋いだCBはそう言って笑顔を浮かべた。
(取材・文 川端暁彦)
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常に明るく振る舞うその姿勢は、練習場でも際立っていた。CBというポジションの特性上、途中出場のチャンスも乏しく、このAFC U-19選手権の出場機会はゼロ。それでも板倉滉(川崎F)は「もしかしたらアクシデントがあるかもしれない。そのときのために準備をしないといけない」と前向きな姿勢を崩さず、コンディションが落ちたと見れば補強トレーニングを行うなど、意識高く自分の状態を保ち続けてきた。ただ、一人の選手として、試合に出られない現実に対する気持ちは当然あった。準々決勝終了直後、こんな言葉を残している。
「来年に繋がったのは本当に大きいことですけれど、そこに自分が関われていないことについては正直、悔しい思いはあります」
ただ、そう語りつつも、同時に「みんながこうやって繋いでくれたわけですし、またどこでチャンス来るのか分からないので、頑張っていきたい」と前を向き、翌日の練習に臨んだ。そして前日練習前のミーティングで、まさかのターンオーバーが告げられる。ここまで出場ゼロの男も、同じくゼロだったCBの町田浩樹(鹿島)と共にピッチへ立つことに。「練習から二人で組んできた」という両者が、並々ならぬ気持ちでベトナムとの準決勝に向かったことは言うまでもない。
もっとも、「出場すること以上に、ここまでずっと無失点で来ているプレッシャーはありました」と笑い飛ばしながら振り返る辺りは板倉らしい。「自分はそんなに緊張とかしないんですけれど、最初のコントロールとパスは気を遣いました」と慎重に試合へ入ると、「(町田とは)お互いに高さでは絶対に負けない自信があるので、チャレンジ&カバーを意識しながら相手のカウンターに対応する」ことを意識して、最後まで戦い抜いた。
さらに開始6分の先制点は、持ち前の高さが生きて「1アシストが付いちゃった」(板倉)形。岸本武流(C大阪)のゴールをアシストして、初めての出場機会での勝利に大きく貢献してみせた。皆の前でそんな素振りは見せずとも、「ずっと、やっぱり出たかったから」。無失点リレーのバトンを見事に繋いだCBはそう言って笑顔を浮かべた。
(取材・文 川端暁彦)
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