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MF中野桂太はU-16日本代表牽引する働きで2アシストも「本当に悔しい」

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U-16日本代表MF中野桂太がDFをかわしてゴール前へ

[6.13 U-16インターナショナルドリームカップ第1節 U-16日本代表 2-3 U-16パラグアイ代表 ユアスタ]

 結果は2-3で敗戦。本人は「まだまだ。勝てていないので」と首を振っていた。それでも、U-16日本代表のMF中野桂太(京都U-18)は、パラグアイの勢いに飲まれて開始20分間で2点を先行されたチームの目を覚ますような動きを見せていた。

「強気に前へ、前へ駆け上がって、守備になったら走ってチームのために戦おうと思っていました」という中野は、ボールを持つと果敢なドリブルで幾度も相手の守りに穴を開ける。飛び込んでくるDFを冷静にかわすテクニック、強引に前に入り込む強さも披露したMFは攻撃の中心になり続けていた。

 そして左足のプレースキックで“危険な”ボールを蹴り込んでいた中野は、前半35分に右FKからCB佐古真礼(東京Vユース)の追撃ヘッドを演出した。「昨日、(練習で)あまりいいボール蹴れなくて、(森山)監督にもキレがないぞと言われて悔しい気持ちになっていた」という中野はピンポイントのキックで意地のアシスト。同時に「でも、あれは真礼の完璧なヘディング。僕のボールというよりも真礼のヘディングですね」と193cmCB佐古の豪快ヘッドを讃えていた。

 中野は1-3となった後半11分にも味方のゴールをアシストする。CB半田陸(山形ユース)からタイミング良くボールを受けると、中央からドリブルで持ち上がる。そして、右前方へ抜け出したFW青木友佑(FC東京U-18)へ「(選択肢は)シュートか、スルーパスか。青木がいい動きをしてくれたので」スルーパスを通す。これを青木が決めて2つめのアシストを記録した。

 意識して伸ばしているという切り替え速い守備や運動量含めてチームを牽引。“エース級”の働きを見せたが、本人は試合を決めるゴールを奪うことができなかったことを悔しがる。カウンターからDFをかわして独走するシーンもあっただけに悔しい無得点と敗戦に。「前までやったら苦手やった守備とか運動量とかちょっとできたと思いますけれども、結果、勝負を決めるゴールを決めることができていないので、そこは本当に悔しいですね。もう一歩は最後の質とか決定力とかちょっとした質やと思います」。この悔しさを残り2試合にぶつけて、決めて、勝つ。

(取材・文 吉田太郎)

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