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U-15日本代表候補の超高速アタッカー、MF小竹知恩が技ありゴール

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3本目開始直後、U-15日本代表候補MF小竹知恩(プログレッソ佐野F.C.U-15)が右足コントロールショットを決めて6-1

[7.23 練習試合 U-15日本代表候補 7-1 U-16山梨県選抜]

 スケール感大きなサイドアタッカーが、技ありゴールを決めた。3本目開始直後、左サイドでパスを受けたU-15日本代表候補MF小竹知恩(プログレッソ佐野F.C.U-15)がカットインから右足シュート。コントロールされた一撃はポストを叩いてゴールラインを越えた。

 182cm、72kgのサイズと「スピードでは絶対に負けない自信があります」という速さの持ち主。特にまたぎフェイントでDFを外す動き、ダイナミックな縦突破は魅力だ。ボールを引き出す術などまだまだ足りない部分は多いが、一方で巧みにDFを外す巧さも備えている。

 この日は縦突破が警戒されている中、「自分の得意な形」というカットインからのシュートでゴール。所属するプログレッソ佐野F.C.U-15(栃木)で日常から仕掛け、シュートのバリエーション増加に取り組んできたというMFは、「綺麗に入ったので良かったと思います」と喜んでいた。

 小学生時代は「県選抜にも入っていなかった」というが、今年4月の2021 タウンクラブ・中体連キャンプで才能を見出された。「これをきっかけに代表に入りたいなという気持ちで入りました」というキャンプで強烈なスピードを発揮するなどアピール。同5月には1歳年上のU-16日本代表候補合宿に抜擢された。

「U-16では持ち味のスピードとかはできたんですけれども、結局ゴールまで行くとかそういうところが全然ダメで……。でも、またあそこに戻っていきたいなという気持ちがあります」。今回、同世代のU-15日本代表候補合宿でリスタートを切ったMFは、2日前のU-16静岡県選抜戦で縦へのスピードを発揮し、この日はU-16代表候補合宿で課題となったゴールを決めた。一方で守備などの課題を再確認した小竹は良い守備から良い攻撃に繋げ、自分の強みを発揮する意気込みだ。

 ナイジェリア人の父と日本人の母から授かった身体能力に小竹は「感謝しています」。幼い頃から走ることが大好きだったという小竹は小学生時代、陸上競技の100m走で全国大会にも出場。兄・理恩さんは現在早稲田大競走部に所属し、400m走で日本学生個人8位、4×400mリレーで関東インカレ2位に入っているスプリンターだ。小竹も中学校に進学する段階で陸上競技に専念する考えだったというが、プログレッソ佐野F.C.U-15の指導者の誘いと「僕もサッカーをやりたい」という気持ちもあって、サッカーで上を目指すことを決断した。

 そして、成長しながら評価を高めて年代別日本代表候補入り。早くからオファーを受け、高校ではJリーグクラブユースへ進む予定だ。将来はJリーグで活躍し、世界へ挑むという野心も持っている。

 目標とする選手のプレー動画を毎日チェックしているという。「憧れの選手はキリアン・ムバッペ選手です。プレースタイルも自分に似ているところがあって、スピードだけじゃなくてボール受ける前の動き出しとか、またぎからの抜け出しとか、自分に足りないものも全てあるので尊敬しています」。大きく花開く可能性を持つ逸材は自分の特長を大事にしながらできることも増やし、2年後のU-17ワールドカップやその先の世界大会で輝く。 
 
(取材・文 吉田太郎)

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