beacon

「頼むぞ」「信じている」…信頼に応えた谷を仲間も称賛「あんなGKがいてくれたら怖いものはない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

仲間から祝福されるGK谷晃生(湘南)

[7.31 東京五輪準々決勝 U-24日本 0-0(PK4-2) U-24ニュージーランド カシマ]

 120分間を0-0で終えた。しびれるような展開の中、勝敗を決するためPK戦へと突入する。チームメイトは信じていた、GK谷晃生(湘南)を――。

 PK戦を迎える前、川口能活GKコーチから相手の情報が書かれたメモを見せられた。当然データは重要だが、「それだけでなく、お前の直感を信じてやれば、絶対にヒーローになれる」との言葉を掛けられてPK戦へと向かった。

 川口GKコーチだけではない。MF久保建英(レアル・マドリー)は「晃生、大丈夫。信じているから」と、DF冨安健洋(ボローニャ)は「頼むぞ。今日は当たっているよ」と、すでにベンチへと下がっていたDF旗手怜央(川崎F)は「ヒーローになるチャンスだぞ」と声を掛け、守護神を送り出した。

 1本目こそ決められたものの、2本目で大仕事をやってのけた。DFリベラト・カカーチェのシュートに対して右に飛ぶと、ボールも右へ。「タイミングはバッチリ。読みが当たった」と、きっちりと両手で弾き出してストップに成功。さらに3本目では、プレッシャーをかけてMFクレエートン・ルイスのミスを誘った。

 そして、谷を信じた仲間はキッカーを務めた4人全員が成功させ、PK戦4-2として勝利。スペインの待つベスト4進出を決めた。

 期待に応えた守護神をチームメイトは称賛。久保は「あんなGKがチームにいてくれたら怖いものはない。僕たちは貪欲に点を取りにいきたい」と語れば、オーバーエイジのDF吉田麻也(サンプドリア)も「よく2つ止めてくれたなと思う。晃生が大会を通じて成長しているし、コンディションも上がってきて、パフォーマンスも上がってきている」と、その成長に太鼓判を押した。

(取材・文 折戸岳彦)
●東京オリンピック(東京五輪)特集ページ

TOP