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トライし続けたU-17日本代表がBalcom BMW CUPで全勝V!春の悔しさも晴らす

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U-17日本代表が優勝を喜ぶ

[8.11 Balcom BMW CUP第3日 U-17日本代表 5-1 クラブ・レオンU-18 広島広域公園第一球技場]

 ロス五輪世代のU-17日本代表が全勝V――。クラブ・レオンU-18(メキシコ)、サンフレッチェ広島ユース、広島県高校選抜U-18、U-17日本代表によって争われた「HiFA 平和祈念 2022 Balcom BMW CUP 広島ユースサッカー」は11日、リーグ戦最終節を行い、U-17日本代表はクラブ・レオンU-18と対戦。FW後藤啓介(磐田U-18)の2ゴールなど5-1で快勝し、全勝優勝を果たした。

 3月のJヴィレッジカップは1歳年上に当たるU-17高校選抜に敗れるなど1勝3敗で終わっている。28年ロサンゼルス五輪世代の才能たちが、その悔しさも晴らす全勝V。大会MVPに選出されたMF大関友翔(川崎F U-18)は、「3月のJヴィレッジカップで悔しい思いをした選手が多かったですし、自分も悔しい思いをしたので絶対に優勝してやろうと思っていましたし、3連勝で優勝できたのは凄く良い雰囲気で終われたと思います」と微笑んだ。

 年代別メキシコ代表経験者も擁したクラブ・レオンU-18との最終節。引き分け以上で自力優勝が決まるU-17日本代表の先発は、GK小林将天(FC東京U-18)、右SB稲垣篤志(浦和ユース)、CB市原吏音(大宮U18)、ゲーム主将のCB畑野優真(横浜FMユース)、左SB飯田陸斗(京都U-18)、大関と由井航太(川崎F U-18)のダブルボランチ、右SH安藤阿雄依(清水ユース)、左SH行友翔哉(愛媛U-18)、そして後藤と貴田遼河(名古屋U-18)が2トップを組んだ。

 そのU-17代表がファーストプレーから迫力のある動きでクラブ・レオンに襲いかかる。1分、稲垣のループパスで快足MF安藤が右サイドを抜け出す。そして、高速クロスをニアの後藤が頭でゴールへ突き刺した。

 城和憲監督も「立ち上がりはボールが切れるまで絶対に100で追い続けるとか、そういう決め事は作っていて、よく実行してくれました」と頷いたように、試合開始から全員で積極的に動き、攻めたU-17代表のファインゴールだった。畳み掛けるU-17代表は4分に大関の縦パスで安藤が抜け出して決定的な右足シュート。6分にも大関の配球からDFを強引に振り切った行友の右足シュートがポストを叩く。

 8分、わずかな隙を突かれてMFヘクター・ヤエル・ウリベ・ゲバラにシュートまで持ち込まれたが、これはGK小林が好反応で阻止。相手に上手く守られてロストし、やや後退する時間帯の続いたU-17代表だったが、市原、畑野、大関を中心に相手を見ながらボールを動かすなど立て直して行く。

 また、中盤での好守光る由井が味方の失ったボールを一発のチャージで奪い返し、飯田の強度高い守備や、市原のパワフルなヘッドで相手に前進を許さない。そして、左の行友、右の稲垣の力強い動きや安藤の圧倒的なスピードも活用しながら攻撃。27分には稲垣が右サイドで獲得したFKをキッカーの大関が右足で蹴り込む。これを稲垣が得意のヘッド。ボールはクロスバーを叩き、ゴールラインの内側へ落ちた。

 2点差としたU-17代表はさらに33分、相手のクリアミスを拾った貴田がGKをかわし、左足シュートをゴールへ流し込む。その直後にも大関の右FKを中央の後藤が左足ダイレクトで合わせ、4-0で前半を折り返した。

 U-17代表は後半開始から由井、貴田をMF清水大翔(C大阪U-18)、FW郡司璃来(市立船橋高)へスイッチ。すると、前半同様、1分にゴールを破る。後藤が前からプレスを掛けてミスを誘い、インターセプトした行友が中央へ丁寧なラストパス。郡司がコントロールから右足で3戦連発となるゴールを決めた。

 U-17代表は切り替えの速い守備を継続し、後藤を起点とした攻撃や稲垣の攻め上がりなどからチャンス。13分には畑野、市原、後藤をCB喜多壱也(京都U-18)、CB 林奏太朗(鳥栖U-18)、左SH鈴木陽人(名古屋U-18)と入れ替えた。

 ボールを保持し、行友のドリブルシュートなどで攻め続けるU-17代表は、26分に小林と飯田をGK濱崎知康(川崎F U-18)、左SB伊藤稜介(磐田U-18)とスイッチ。だが、ミスも増え、終盤へ向けて攻め返されるシーンが増えていた。そして34分、DFダニエル・モンシバイス・アヘドの仕掛けにPKを許し、読み切った濱崎が一度止めながらもキッカーのヘクター・ヤエル・ウリベ・ゲバラにゴールへ押し込まれてしまう。

 だが、各選手が献身的な動きや球際でのタイトな守りを続けて2点目は許さなかった。そして、林、喜多から清水、大関を経由する形でビルドアップし、伊藤の思い切ったオーバーラップや鈴木のドリブルシュートなどそれぞれが特長を出すことを目指し続けて80分間を終了。快勝で最終戦を終えた。

 城監督は「(この年代として直近の公式大会は無いため)少しでも高いステージへ個人昇格しようぜという目標を掲げながら、この世代にもチャンスは色々と転がっているので、そのチャンスを待つんじゃなくて自分たちで掴みに行かないとダメだぞということはコンセプトとして最初に伝えていました」という。

「その中で、自分たちが何をしなければいけないのかを考えながら、オン・ザ・ピッチもオフ・ザ・ピッチもトライしてくれたのでそういうところが良かった。この優勝はみんなの力」と評価。その一方、世界で戦うためには「(活躍が)まだまだ足りない」「相手に少し合わせてしまう」「代表だったら全てに置いて圧倒していかないといけない」と求める。チームは9月、国際ユースサッカーin新潟に出場予定。選手たちは世界で活躍する、勝つことを目指して日常から成長、アピールを続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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