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“メッシ”の個性が爆発した立ち上がりから、遅れてきた主役の大爆発へ。U-19日本代表が9-0の圧勝

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前半13分、U-19日本代表はMF中村仁郎(G大阪)が先制ゴール

[9.14 U20アジアカップ予選 U-19日本代表 9-0 U-19グアム代表 ラオス]

 U-19日本代表が大量9得点で連勝を飾った。14日、「AFC U20アジアカップウズベキスタン2023予選」(ラオス)グループCで、日本はU-19グアム代表と対戦。灼熱の太陽光線が照り付ける中での試合で追加招集のFW千葉寛汰(今治)がダブルハットトリックの大爆発。9-0の大勝で、ラオス戦に続く白星を刻んだ。

「難しい試合だった」。開口一番、冨樫剛一監督はそう漏らして嘆息した。ここまでの2試合を連敗しているグアムとの実力差は明らかにあった。「選手たちも開始5分で分かったとは思う」と指揮官は言うが、ここで言う「選手たち」にはグアムの選手も含まれるだろう。5バックで完全に割り切って守りを固めてくるグアムに対して、どう攻めるか。ひたすらその点が問われるゲームとなった。

 こうした試合でキーになるのは、やはり先制点。その口火を切ったのは右ウイングで先発した中村仁郎(G大阪)だった。

「去年日本でやったU23アジアカップ予選・香港戦が同じような守られ方をしていたので、その経験からどう攻めればいいか把握できていた」

 飛び級招集で参加した大会の経験を踏まえつつ、「できるだけシンプルにプレーして、相手がちょっとズレたところだけ行く」というイメージを持ってゲームに入り、13分には「得点のところはちょうどそんな感じで行けた」(中村)と相手を出し抜く形でゴールを奪う。

 巧みなファーストタッチから相手DFを1枚、2枚と得意のドリブルではがしていき、最後はこれまた得意の左足シュートを「コースも見えていたし、自分らしい形で打てた」と流し込んで先制点を奪い取る。「メッシかな?」と笑った見事な一発で試合の流れは完全に決まった。

 続く15分にはこれまたセオリー通りのサイド攻撃から、DF桒原陸人(G大阪ユース)のクロスを相手DFが跳ね返したこぼれ球をMF楢原慶輝(鳥栖U-18)が拾って右足シュートで蹴り込み、2-0とリードを広げる。

 そしてここからは「うまくゲームに入れていなかった」という千葉のエンジンに火が入り、ゴールショーの幕開けとなった。まずは「あのこぼれ球への反応が寛汰の真骨頂」と指揮官も絶賛した嗅覚を発揮して3-0となる1点目を30分に奪うと、中村のPKで4-0と差が広がった45分には、中村のクロスを熊取谷一星(明治大)が頭で折り返したボールを、泥臭く押し込んで5-0とリードを広げてみせた。

 後半は「5-4-1で守られた場合の崩し方を試した」(冨樫監督)と戦術的なテストも行われる中、千葉はさらにゴールを重ねていく。11分に自ら獲得したPKを蹴り込み、41分、43分、45分と相手の隙を見逃さずに連続ゴール。ダブルハットトリックを完成させ、9-0の勝利となった。

“メッシ”の個性が爆発した立ち上がりから、遅れてきた主役の大爆発へ。U-19日本代表が9-0の圧勝で第2戦を白星で飾り、目標である全勝での1位突破へ向けてまた一つ前進した。

前半13分、U-19日本代表はMF中村仁郎(G大阪)が先制ゴール

(取材・文 川端暁彦)
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