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マジョルカから帰国、4日後アフリカ遠征へ…欧州の強度を体感したU-17日本代表MF矢田龍之介

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MF矢田龍之介(清水ユース)

 スペイン・マジョルカでの練習参加から14日に帰国し、18日にアフリカ大陸へと旅立った。U-17日本代表のアルジェリア遠征に参加するMF矢田龍之介(清水ユース)は、タイトなスケジュールに笑いながら「コンディションは大丈夫です」と力を込めた。

 清水エスパルスとマジョルカ(スペイン1部)が業務提携をしていることから、矢田のマジョルカU-19チームへの練習参加が決定した。3月頭からスペインに向かい、現地での練習風景はマジョルカの公式サイトなどでも発信。矢田は「スペインは、日本と違ってバチバチ強度高くやっていた。その中でもポジショニングだったり、体の向きはこだわってやれた。すごく刺激的だった」と振り返る。

 海外でやれたことで、違った視点を持つことができた。強度の高い練習を目の当たりしたことで「自分に足りなかった強度を少しずつ上げて、世界基準にしたい」と課題を挙げる。「攻撃の部分では良さを出しながら、得点に絡んでいけたら」と代表活動にも生かすつもりだ。

 18日の代表活動初日では、夜の日本出発を前に、昼に流通経済大と練習試合を実施した。矢田は4-4-2の布陣でMF佐藤龍之介(FC東京U-18)とボランチコンビを形成。ダブル“龍之介”で攻守にバランスを取りながらプレーした。ほかの選手からは佐藤を「龍」、矢田を「矢田」と呼ぶ声が飛ぶ。「おれは龍って呼んだり、さとりゅうって呼んだり。あっち(佐藤)は龍とか、矢田ちゃんとか」(矢田)。

 FC東京で2種登録された佐藤はトップチームのキャンプに参加し、今月8日にはルヴァン杯で先発入り。16歳でトップチームデビューを飾った。矢田はマジョルカの空気を、佐藤はJリーグの空気を吸い、短期間でたしかな成長を見せる。森山佳郎監督は「プロのキャンプとか海外に行って、経験したこともまた自分の栄養に変えて、かなりたくましくなっている」とその伸びしろに目を細めていた。

 今回のアルジェリア遠征で、矢田は「アフリカ人に対して、どれだけパワーを持っていけるか。相手がガッと来た中で外せるかどうかは、こだわってやっていきたい」とテーマを決めている。その上で「ボールを受けて、パスだったり、攻撃のところのチャンスメークを試合に出したい」と持ち味の発揮も忘れない。

 U-17日本代表は6月、今秋に控えたU-17ワールドカップの出場を懸け、U17アジア杯に臨む。同大会でベスト4に勝ち進めば、世界切符を手にすることができる。「一日一日を無駄にしないで成長していければ。アジア杯で優勝して、W杯に行きたいと思います」。一足先に欧州の空気を吸った若武者が、世界の舞台を目指していく。

(取材・文 石川祐介)

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