beacon

U-20日本代表候補のキャプテンマークを着けた“飛び級”18歳保田堅心、来月のU-20W杯まで成長誓う「いまできる最大限を出せれば」

このエントリーをはてなブックマークに追加

“飛び級”ながらキャプテンマークを着けたMF保田堅心(大分)

 U-20ワールドカップのメンバー入りを目指すU-20日本代表候補“サバイバル”合宿でキャプテンマークを巻いたのは、“飛び級選出”の18歳MF保田堅心(大分)だった。ユース時代では腕章を着けたことはあったが、代表では初。冨樫剛一監督に「それくらい負荷をかけて、何ができるかを見たかった」と言わしめた男は、関東大学選抜との練習試合で1アシストと結果を残した。

 3月のU20アジアカップで5月のU-20W杯出場権を掴んだU-20日本代表は、さらなるレベルアップを目指す。U20アジア杯で出場時間が短かった選手や未招集の選手を集め、3日と4日の2日間で短期キャンプを行った。2日目の4日には関東大学選抜と練習試合を実施。2003年生まれを中心としたU-20日本代表候補の中で、05年生まれの“飛び級選出”保田がキャプテンマークを着けた。

 保田はU20アジア杯で2試合先発の3試合に出場し、中盤でボランチとして攻守を整えた。しかしいずれもフル出場はなく、今回の合宿では「長い時間で何を出せるかというところ」(保田)を目的にしていたという。

 冨樫監督は保田に、期待の表れとしてあえて“負荷”となるキャプテンマークを授けた。「今回その重みも背負いながら何ができるのかを見たかった」(冨樫監督)。保田は4-2-3-1の布陣でダブルボランチの一角としてプレー。45分×2本の試合でフル出場すると、球際で強さを見せながら攻守に貢献する。1-0で迎えた前半43分にはFKからボールをワンタッチで前に出し、FW千葉寛汰(徳島)のゴールをアシストした。

 試合はU-20日本代表候補が2点先取したものの、後半2失点で2-2のドロー。保田は自身のプレーに課題と収穫を見つける。「もっと相手を見ながら、ボランチと距離を近くしていなせたかなと感じている。だけど、前を向いて打つという自分の特長は少しは出せたと思っている。それはよかったかなと思います」と手応えを口にした。キャプテンとしての立ち振る舞いも意識。「キャプテンマークを着けている以上、周りにいつも以上に目を配っていかないといけないという意識は少なからずある。そこはいつもより意識してやれたかなと思います」とこちらも及第点だったようだ。

 5月20日開幕予定のU-20W杯まで、残り約1か月半。U20アジア杯をベスト4で終えた悔しさを胸に、世界の舞台に上がる準備を着々と整える。

「W杯に出たいという意識は強くあります。世界一を目標に掲げて、ずっと1、2年間U-20で活動をしてきた。アジアは取れなかったので、何かを変えないといけないという中で個人としてレベルアップしないと。1か月という少ない時間ですけど、少しでもアジア杯のときから成長を見せないとメンバーに入れない。W杯を見据えつつも、いまできる最大限を出せれば」。まずはたった21人の本大会メンバーに入る。そして、本気で世界の頂点を目指すつもりだ。

(取材・文 石川祐介)●U-20ワールドカップ2023特集ページ

TOP