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2戦連発、エースFW道脇豊(熊本)の先手必勝ヘッド

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前半2分、U-17日本代表FW道脇豊(熊本)が先制ゴール

[6.20 AFC U17アジアカップGL第2節 U-17日本 4-0 U-17ベトナム]

「正直に言って、2試合ともにボールが良かっただけ。みんなが自分の良さを分かってくれているので」

 U-17日本代表FW道脇豊(熊本)は、2試合連続の先制ヘッドについてそう語る。確かに第1戦は吉永夢希(神村学園高)、第2戦では佐藤龍之介(FC東京U-18)から素晴らしいクロスボールが上がってきたのは事実だが、それを決め切るのは言うほど簡単ではない。

 この日の先制弾も、最初にゴール前へ入っていったタイミングではクロスが上がってこず、佐藤が切り返して対面の相手を外しにかかったところでバックステップを踏んで相手DFの視界の外へと移動。その上でハイクロスの落下点をしっかり読んで頭でミートしており、単に身長が高いから届いたというわけではない、戦術的、技術的な要素の詰まったゴールだった。

「DFの視野に入ってしまうとマークに付かれやすいので、相手の視界から消えるのは意識していたのと、ファーに流れてくるクロスが来るんじゃないかという予測でああいう形(ポジションの修正)になった」(道脇)

 DFの視界から外れ、DFにいわゆる同一視(マークすべき相手とボールを同時に見ること)をさせないようにするという意識は、元日本代表FWでこのチームのゲストコーチを務めた「大黒さんから教わったこと」(道脇)。元よりFWの大原則ではあるので、「ロアッソでも教わってきた動き」(道脇)ではあるのだが、より具体的なイメージを持って体現できるようになった手応えがあるようだ。


 ただ、「あれは決めないといけなかった」と猛省するプレーもある。前半1-0のまま試合が進む中で迎えた、「スピードで抜け出した決定機」についてだ。

「スピードに乗っていることを考えながら(シュートを)打てば良かったのに、それを頭に入れずに蹴ってしまった。ニアが空いていたのであそこを狙うべきでしたし、そもそも無理に左で打つんじゃなくて、体を開いて右に持ち替えて、より確実に決められるようにしても良かった」(道脇)

 こうして理詰めでゴールについて考えているあたりも道脇の個性の一つ。連続ゴールが生まれているのも、やはり偶然ではないだろう。そして、「この後」にも当然期待は高まるところ。

「交代選手が凄く良いプレーをしてくれて良い形で第2戦を終えられたので、このまま第3戦も勝ち切ってグループステージを突破したい」

 エースの視線は、早くも次の試合に向いていた。


(取材・文 川端暁彦)
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