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U-20W杯優勝メンバー宮澤ひなた、池田体制で再び世界挑戦へ「もう一度、一緒に世界一を取りに行ければ」

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MF宮澤ひなた(マイナビ仙台)

 日本女子代表(なでしこジャパン)のMF宮澤ひなた(マイナビ仙台)は28日、女子ワールドカップに向けた国内合宿2日目の練習後に報道陣の取材に応じ、「本当にたくさんの方々に応援されて、支えられて今の自分がいると思うので、たくさんの方の思いも背負って、W杯、世界の舞台を戦いたいと強く思っています」と意気込みを語った。

 育成年代から日の丸を背負ってきた宮澤は2016年のU-17W杯準優勝、18年のU-20W杯優勝メンバー。優勝時は決勝のスペイン戦で先制点を挙げる活躍を見せ、大会初制覇に導いた実績を持つ。

 当時のU-20日本女子代表の指揮官は現なでしこジャパンの池田太監督。恩師と挑む大舞台に向けて宮澤は「太さんの熱いところは一緒に長い時間やっていたのでわかるところもあるし、自分自身のプレーも性格もわかってもらえている。カテゴリが上がってもう一度太さんと一緒に世界の舞台に臨めるのは嬉しいし、もう一度、世界一を一緒に取りに行けたら」と熱く語る。

 そんな宮澤の持ち味は自慢のスピードを活かしたドリブル突破。160cmと小柄のため、速くて強い海外選手に押し負けることもあるが、「そのスピードをどこでどう活かすか」という工夫によって乗り越えてきた。

「日本だとスピードでどうにかなっている部分でもあるけど、海外の選手を相手にしても、ちょっとしたポジショニングや、少しの緩急でかわせるところがたくさんある。相手にとって嫌な位置に立ち続けながら前を向いてゴールに向かう、ゴールへのチャンスメイクをより増やしていきたいし、ゴールが見えればシュートは常に狙っていきたい。ゴールを意識したプレーをより増やしていきたい」(宮澤)

 海外遠征での経験を普段のWEリーグにも活かしてきたと自負。「単に走っても相手のほうが速かったりというのは海外遠征に行くにつれて感じるところはあるので、一歩相手から遠くに立ったり、相手の背後に立ったり、トラップ際でかわしたり。少しのポジショニングで、一歩でも前に入れればそこからは勝負になると思う。細かいところになるけど、そこは自チームでも意識してやってきたので、そこがどう通用するかどんどんチャレンジしていきたい」と意気込む。

 直近の活動となった4月の欧州遠征では2試合とも途中出場で、本大会ではジョーカー起用の可能性も考えられる。その場合は「途中から入ったらよりピッチの中が見えている状態で入れるので、こういうシーンならここ空いているなというのがあるし、外から思ったことも中の選手に伝えられる」とこれまで培ってきた分析力も活かしつつ、「コミュニケーションがすごく大事になってくると思う。少しでもいろんな選手と会話をして、より高め合えたらと思っている」とより多くの選手との連係にも意欲を示した。

 全年代のW杯出場は初めてとなるが、2度のU-20W杯上位進出経験を通じて「本当に総力戦だと思う」と展望した宮澤。「何があるかわからないし、みんな短期間にかけてきている思いは強いと思うので、一人一人の気持ちも大事だけど、チームとして一つになるのが大事。プレーでは目の前の相手に負けないこと。そしてまずはサッカーを楽しむ、その舞台を楽しむことを忘れずにやりたい」。あと3週間余り、前向きに大会への準備を続けていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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