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猶本光が自身初の女子W杯へ! レジェンド安藤梢からの独特エールを明かす「白熊になって帰ってくるなと…」

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MF猶本光

 自身初の女子W杯に向け、日本女子代表(なでしこジャパン)のMF猶本光(三菱重工浦和レッズレディース)が意気込みを語った。メンバー発表後の記者会見では涙を流していたが、次に流す涙は「嬉し涙でありたいですね。優勝という」と目標を口にした。

 20歳の若さでなでしこジャパンデビューを飾った猶本だが、国際舞台では落選が続いた。女子W杯は2015年大会、19年大会で落選し、21年東京五輪もメンバーに入らなかった。メンバー発表当日の会見では涙を流したが、いまは大会でのプレーに集中している。27日の国内トレーニングキャンプ初日後の囲み取材では「どういうプレーを見せられるかが大事だと思うので、まだゴールではない」と力を込めた。

 浦和レディースのチームメイトで、11年女子W杯の優勝メンバーでもあるFW安藤梢からもエールをもらったという。「白熊になって帰ってくるなって言われました(笑)」。その意味を知るには15年女子W杯まで遡る。安藤は大会中に骨折し、チームを離脱。安藤の代役として白熊のぬいぐるみがベンチに置かれていたのだ。

 怪我への注意だけではなく、さらに猶本はW杯を戦う上で重要となる要素も安藤から聞いている。

「チームの団結が大事とずっと言われていて、それは安藤さんだけではなくて、ほかの2011年優勝メンバーもおっしゃっていた。いかにみんなが同じ方向を向いてまとまれるか。この大会で上がっていくためには、一番大事なことなのかなと今は思っています」

 そのために必要なことは、選手同士が互いに認め合うこと。「個性の強い選手が集まるところが代表。その個性をお互いが認め合って、それで勝っていければ、ぐっとまとまるよって。梢さんが言っていました」。レジェンドの言葉をしっかりと胸に刻んでいるようだ。

 過去には、宮間あやが蹴るセットプレーから澤穂希がゴールを決めたように、なでしこジャパンはセットプレーを大きな武器としてきた。猶本はレジェンドたちの姿を自身に重ねる。

「みんながギリギリのところで守って、最後は宮間さんの精度の高いセットプレーと、中に合わせられる選手がいた。その1点で勝った試合が何試合もあったというのを聞いていたので、やっぱりキッカーは本当に大事だし、宮間さんがすごく練習していたというのも聞いている。自分もセットプレーのキッカーとしてやっていくために練習を重ねてきた。味方と合わせて、なでしこジャパンの武器にしていきたい」

 初めての大舞台にも臆する気持ちはない。「自分の色を出していけたらいいなと思います」と冷静に、7月開幕の女子W杯を見据えている。

(取材・文 石川祐介)
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