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「借りは返す」。課題と向き合った大型ボランチ山本丈偉(東京Vユース)がイランにリベンジ

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U-17日本代表MF山本丈偉(東京Vユース)は1年間の成長を示した

[6.29 AFC U17アジアカップ準決勝 U-17日本 3-0 U-17イラン]

「イランとやりたいと思っていたんです」

 U-17日本代表MF山本丈偉(東京Vユース)はそう語る。その理由も明快だ。

「不甲斐ない試合をしてしまったので、やり返さないといけなかった」

 昨年8月、ウズベキスタンで行われた親善大会の最終戦で日本はイランと対戦している。1勝1敗でこの試合を迎えていた日本は、勝てば優勝のチャンスも残る状況だったものの、1-3と敗北。ボールを持っている時間こそ長かったものの、「デュエルの部分でことごとく負け続けた」(森山佳郎監督)内容は、選手たちにとって大きな悔いの残る試合だった。

 この遠征で国際試合での「弱さ」を指摘された格好になった山本にしてみれば、この1年での成長を見せ付ける絶好機でもある。

「去年の思いがあったので、セカンドボールを拾うところだったり、デュエルのところは特に絶対負けたくなかった。去年と違って、今回はちゃんと戦うことができていたと思う」

 山本は元より高い技術を活かした攻撃面に定評のあるボランチだが、「守備は得意じゃない」と自ら認めるとおり、課題にしてきた部分である。ただ、指揮官は185cmの高さを含めて「(山本)丈偉はもっとやれるはず」と守備面でのさらなる成長を求め続けてきた。本人も意識を改めて取り組んできた成果は徐々に花開きつつある。

「今日も何回か負けていたシーンもあったし、まだまだだとは思います。でも去年負けたときからずっとイランと戦って借りを返してやろうと思ってたし、あのときよりは球際でも結構やれたと思う」

 もちろん本来の特長であるゲームコントロールや判断の部分でも、後半になって相手に主導権を渡してしまった直近の試合の反省も踏まえて安定したプレーを見せた。

「オーストラリア戦の内容もあったので、ボランチが中心になって自分たちが握る時間を作ることは意識していました。でも、ミスもあったし、そっち(ボールを持ってのプレー)もまだまだでしたね」

 ここまで来れば、もちろん狙うのは優勝しかない。

「みんなで喜ぶために、チーム全員で高い意識を保ってやっていきたい」

 日韓戦となったファイナルは日本時間7月2日の21時から。期待の大型ボランチは、攻守両面で中心となってチームを連覇へと導くことを目指す。

(取材・文 川端暁彦)
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