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W杯直前のなでしこJはPK戦も視野に重点練習…猶本光「細かいところからチームはできてくる」

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MF猶本光

[7.5 練習試合 日本女子代表 7-0 オルカ鴨川 JFA夢フィールド]

 なでしこジャパン(日本女子代表)は5日、千葉市内での合宿最終日にオルカ鴨川FC(なでしこ1部)とのトレーニングマッチ(40分×3本)を行い、さまざまな得点パターンで7-0の圧勝を収めた。それぞれのセクションの後にはPK戦の練習も行い、なでしこジャパンが3本ともに勝利していた。

 女子ワールドカップを約2週間後に控えていることもあり、詳細な結果やキッカーなどは非公表とされたが、調整はおおむね順調に進んでいる様子。MF長谷川唯は「なかなかPKを蹴る機会が普段ないので、こういう試合をした後にしっかり蹴れて、それも5人で試合と同じようにできたのが良かった」と振り返り、「本番に向けて自信になる」と手応えも示した。

 PKはミーティングでも重点テーマに挙がっており、GK側の心理やコース別の成功率なども共有された模様。「キッカーを孤独にしない」ための工夫も随所に見られ、MF猶本光は「細かいところからチームはできてくると思う」と一体感の醸成という面でも前向きに受け止めていた。

 W杯でのPK戦といえば、男子の日本代表がカタールW杯決勝トーナメント1回戦でクロアチアに敗れたことが記憶に新しい。その後は各カテゴリの日本代表でPK練習が積極的に行われており、世界舞台での教訓を次世代に受け継いでいく試みもなされている。

 もっとも、池田太監督のもとでは、昨年1月のAFC女子アジア杯(女子W杯予選)でもPK戦に関する取り組みが進んでいた様子。猶本は「太さんはそういうのを(もともと)やっているんじゃないかと思う」と述べ、「あとは練習あるのみ」と力を込めた。

 また同じくPK練習を行った合宿4日目(6月30日)の練習後には、MF田中美南が「いまは模索中。自分のルーティーンを残しつつ、どれが自分に合っているのかを考えられる期間」と試行錯誤の最中であることを明かした。普段のリーグ戦ではなかなか重点メニューには上がらないPK練習は、それぞれの選手がW杯本大会に向けてトライを重ねる時間にもなっているようだ。

 主将のDF熊谷紗希はこうしたPKの取り組みについて「練習しているとしていないじゃ全然違うのかなとは思う。実際こうやって相手があってPKをやるのと、自分たちだけで練習をするのでは緊張感とかも違う。場数を踏むじゃないですけど、いろいろなところでやれていることはいいと思う」とコメント。「W杯の緊張感はなかなか練習では出せないけど、自分の中で自信を持って蹴れるところがあるというのは選手一人一人大きい。そういった意味でもこの(PK)練習には意味があるのかなと思う」と前向きに話した。

(取材・文 竹内達也)
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