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U-17日本代表初戦は追撃弾、2戦目は3ポジションで万能性発揮。日大藤沢MF布施克真は「自分が一番やるし、一番他の人に伝える」

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U-17日本代表MF布施克真(日大藤沢高2年)はボランチ、右SB、左SBの3ポジションでプレーし、勝利に貢献

[8.10 Balcom BMW CUP第2節 広島県高校選抜U-18 2-4 U-17日本代表 広島広域公園第一球技場]

 2日前の初戦は交代出場で追撃ゴール。この日はボランチ、右SB、左SBでのプレーで万能性をアピールした。だが、U-17日本代表MF布施克真(日大藤沢高2年)に満足感は全く無し。自分自身により高いレベル、「一番やる」ことを求めていた。

 試合序盤から、ダブルボランチを組んだMF川合徳孟(磐田U-18)とともに運動量を増加。守備面で貢献する一方、相手の背後へ抜け出す動きや引いてボールを受け、サイドへ展開する動きを見せた。

 そして、コンビネーションからPAへ持ち込んでシュート。また、DF間でボールを動かし、得点にも絡んでいる。だが、チームは前半終盤から徐々に停滞。この時間帯で後方から声をかけること、またDFにコーチングさせることができず、「そこは課題」と悔しがった。

 布施は後半17分の選手交代に伴い、右SBへ。さらに負傷者が出た影響で左SBとしてもプレーし、チームを支えた。布施はU-16神奈川県選抜では左SBとして国体優勝に貢献しているプレーヤーだ。この日、チームにとっては“緊急事態”だったが、布施が難なく穴埋め。その布施は、普段から他の選手へのアドバイスも、自分のことだと思って聞いているのだという。

「事前の練習の時にボランチやっていても、(コーチが)『SBはこういうふうにプレーしろ』と言っているのを聞いて、(自分がそのポジションに)入った時にと。今日だったら裏の対応とか、相手が出てくる前に対応したりすることは意識していました」。この日は相手のスピードにやや苦戦し、ボールを取り切れないところもあったが、攻守に評価される内容だった。

 交代出場した広島ユース戦(8日)では強みであるボール奪取から、前線へスプリント。左クロスをジャンピングボレーで決め、逆転勝ちのきっかけを作った。初戦、第2戦と存在感のある動きを見せているが、目標は11月のU-17ワールドカップメンバーに加わること。本人は攻撃も、守備も、切り替えの速さも「まだまだ」だと考えている。

「存在感出せるのは良いですけれども、このチームで一番士気を高めるとか、目立つプレーヤーじゃないと加われないと思うので、今できていることもあるけれど、できないことをもっともっとできるようにしたい」

 誰より目立つ。同時に、チームへ還元する。布施は今夏のインターハイで3位。選手権で日本一を狙う日大藤沢、国体連覇を狙う神奈川県選抜に代表チームでの経験を伝える考えだ。「(代表チームで教わったことを伝えれば)チーム全体が良い方向に進んでいくと思う。代表に入れたのは自分の力だけじゃなく、親とか、チームメートとか、監督とか色々な人の助けがあってできていることなので、還元するしか無い。『自分が一番やるし、一番他の人に伝える』」。自分の将来のため、周囲の人たちのためにも代表チームで多く学び、より高みを目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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