[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.11 Balcom BMW CUP第3節 U-17日本代表 4-0 U-17ウズベキスタン代表 広島広域公園第一球技場]

「自分を出す」と臨んだU-17日本代表での活動。MF布施克真(日大藤沢高2年)は、自分の良さを表現し、人一倍戦って評価を変えた。

　布施は「HiFA 平和祈念 2023 Balcom BMW CUP 広島国際ユースサッカー」初戦でベンチスタート。だが、交代でボランチに入ると、試合の流れを変えるようなゴールを決めた。第2戦ではボランチで先発し、右SB、左SBとしてもプレー。万能性を発揮したMFはU-17ウズベキスタン代表戦で左SBとして先発し、セカンドボールの回収や運動量で勝利に貢献した。

　この日は「良いところを出した」という森山佳郎監督や廣山望コーチも高評価する内容。布施は「左(SB)でも、ボランチでも、同じように回収もできたし、裏の対応とか、CBとの関係とか、ボランチとどう繋がっているのとか、きょうは意識しながらだったけれど不自由なくできたので良かった」と振り返る。

　相手の攻撃を封じることを最重視。素早い対応でボールを取り切り、相手の攻撃を遅らせてシュートを打たせずにミスを誘った。予測の速さに加え、周りの選手を動かして自分のところを奪う力も見せていた。

　また、攻撃面でも周囲と繋がり、パスを繋いで味方のPK獲得に絡んだ。積極的なスプリントも。終盤、ボランチへポジションを上げた布施はドリブル突破や抜け出しからの決定的なシュートも放った。中盤でのプレーを含めて、「自分のやりたいプレーを全部出せたと思います」。07年早生まれ。U-16世代の経験値向上の狙いもあっての招集だったはずだが、立ち位置を変える、U-17日本代表定着の可能性を引き上げるような活躍だった。

　今月上旬まで開催されたインターハイでの悔しさが、「自分を出す」思いを強くした。布施は今年、強豪・日大藤沢の主力ボランチに。だが、インターハイでのプレーは守りに入ってしまったと自己分析する。チームは準決勝まで勝ち上がったが、布施は3回戦からサブに。準決勝でゴールを決めたものの、悔しい大会となった。

「代表に来れるというのに、その前のインターハイで自分が悪いプレーをしてスタメンを外されたのは本当に悔しかった。外から見ても分かるくらいダメだったので。代表では良いところを出すしかないので、絶対にそれを出したいとやっていたので、それが出せたかなと思います。一番か分からないですけれども、自分がチームを引っ張っていけるような存在に今日はなれたかなと思います」

　自分が全力で特長を出すこと。それができなければ高校サッカーでも通用しない。だが、出せれば代表チームでも活躍できることが分かった。「ここからチームに戻っても、国体に行っても、今日くらいのパフォーマンスを毎日発揮しないとワールドカップのメンバーには加われないと思うので、守りに入るのではなくて、もっと自分を出すプレーを毎日できればなと思います」。この日は良く走っていたが、よりボールを奪う力も精度も必要。U-17ワールドカップメンバー入りを目指し、自分のプレーを出し続ける。

(取材・文　吉田太郎)

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