多くの目の中で可能性を示した3日間。U-15日本代表候補が計42名のラージキャンプを終了
08年生まれ以降の選手たちで構成されたU-15日本代表候補が6日、3日間の国内キャンプを打ち上げた。キャンプは千葉県千葉市の高円宮記念JFA夢フィールドで開催され、計42名が参加。世界基準の強度、自チームとは違うポジションや環境での適応力が求められる中、成長を目指した。
今回のキャンプでは42名を3チームに振り分け、各チームそれぞれ2名のコーチが担当。また2名のGKコーチが6人のGKを指導する形が取られた。平田礼次監督は影山雅永ユース育成ダイレクターとともに全体を統括。指揮官1人の目だけではなく、様々な経験を持つコーチ陣が選手たちの動きをチェックし、各選手の可能性や課題について意見を共有した。
平田監督は「とにかく多くの目で色々な可能性を探ることができる、というのが強みですね」と語る。育成年代の強化へ向けて様々な模索をする中、今回は普段の活動の2倍にも及ぶスタッフがサポートし、選手たちはその中でプレー。合宿2日目の午前、午後、最終日にはそれぞれ3チームにU-16千葉県選抜を加えた4チームで総当りのリーグ戦を行い、競争心も煽られた。
5日の2試合はAチームとBチームが1勝1分、Cチームが1勝1敗、千葉県選抜が2敗。「(アジア、世界で)グループステージ突破のためには2位以内だぞ!」という激も受ける中、選手たちは6日に最終戦を戦った。
BチームとCチームの戦いは前半3分、DF背後へ抜け出したBチームFW四日裕歩(横浜FC Jrユース)がGKをかわして先制点を奪う。さらにMF姫野誠(千葉U-15)の中央突破、スルーパスからFW加藤雄大(三菱養和SC調布Jrユース)が追加点を挙げた。
CチームはFW奥田悠真(川崎F U-15生田)が激しい競り合いから強引に前へ出ていたほか、サイド攻撃からゴール前にボールを持ち込む。だが、BチームはCB森井莉人(広島Jrユース)やCB吉川晴翔(柏U-15)が封じて得点を許さない。その後も着実に加点したBチームに対し、CチームもFW山崎琉偉(新潟U-15)がこぼれ球をゴールへ押し込んで反撃。だが、Bチームが2勝目を挙げた。
もう1試合は、Aチームが181cmMF阿出川琥吾(柏U-15)のスルーパスやスキルの高いMF椿渥裕(横浜FC Jrユース)のスペースを突くドリブルなどで攻める。前半は決定機を活かせなかったが、後半4分にDF背後へ抜け出したFW川端彪英(京都U-15)が独走。GKとの1対1から右足シュートを決めて先制する。
千葉県U-16もMF安田蓮翔(QUON)の仕掛けなどで攻め返していたが、AチームはCB高嶋蒼和(神戸U-18)の落ち着いた対応や阿出川の2度3度と連続でかけるプレッシング、右SBオディケチソン太地(JFAアカデミー福島U-15EAST)の圧力の高い守備などでその攻撃を封鎖。逆にMF岩崎亮佑(横浜FCユース)が加点して2-0で勝った。
平田監督は「(普段とは)違ったポジションをやってもらった選手もいたし、3月(の大阪合宿)に比べて色々な部分でパワーアップしていた。この年代の可能性を感じました」と評した。AチームとBチームが2勝1分で並び、前日のCチーム戦を7-1で制していたAチームが得失点差で優勝。阿出川は「Aチームは一人ひとりが助け合っていたし、サッカーを楽しんでいました」と優勝の要因を説明していた。
U-15日本代表の目標は25年U-17ワールドカップで輝くことだ。阿出川は「(U-17ワールドカップは)遠い夢かなと思っていたけれど、平田さんの話とか聞いて今やらないと次に繋がらないというか、一歩一歩のステップアップが大事だな、チャンスが目の前にあるんだなと感じました。頑張ろうと思いました」という。来年にはアジア1次予選が開催予定。時代に応じた体制づくり、活動と日本の強みを活かしながら準備を進める。
U-15日本代表は現在、別チームの20名がEAFF U15 男子選手権 2023(中国)に参戦中。「このタイミングでこの人数でできたのは大きい」(平田監督)という今回のラージ合宿、EAFF U15 男子選手権を含め、この1年間で計90名もの選手がU-15日本代表の活動に参加した。
今回、多くの目に見られる中で学び、新たな経験を積んだ選手たちは、基準を持ち帰って自身と自チーム、世代の成長に繋げる。平田監督は解散時に「(世界の)ライバルはいっぱい(トレーニングや努力を)やっているよ。チームの信頼を得て、結果を残して」とメッセージ。U-15の才能たちは日常をレベルアップしながら世界を目指す。
(取材・文 吉田太郎)
今回のキャンプでは42名を3チームに振り分け、各チームそれぞれ2名のコーチが担当。また2名のGKコーチが6人のGKを指導する形が取られた。平田礼次監督は影山雅永ユース育成ダイレクターとともに全体を統括。指揮官1人の目だけではなく、様々な経験を持つコーチ陣が選手たちの動きをチェックし、各選手の可能性や課題について意見を共有した。
平田監督は「とにかく多くの目で色々な可能性を探ることができる、というのが強みですね」と語る。育成年代の強化へ向けて様々な模索をする中、今回は普段の活動の2倍にも及ぶスタッフがサポートし、選手たちはその中でプレー。合宿2日目の午前、午後、最終日にはそれぞれ3チームにU-16千葉県選抜を加えた4チームで総当りのリーグ戦を行い、競争心も煽られた。
5日の2試合はAチームとBチームが1勝1分、Cチームが1勝1敗、千葉県選抜が2敗。「(アジア、世界で)グループステージ突破のためには2位以内だぞ!」という激も受ける中、選手たちは6日に最終戦を戦った。
BチームとCチームの戦いは前半3分、DF背後へ抜け出したBチームFW四日裕歩(横浜FC Jrユース)がGKをかわして先制点を奪う。さらにMF姫野誠(千葉U-15)の中央突破、スルーパスからFW加藤雄大(三菱養和SC調布Jrユース)が追加点を挙げた。
CチームはFW奥田悠真(川崎F U-15生田)が激しい競り合いから強引に前へ出ていたほか、サイド攻撃からゴール前にボールを持ち込む。だが、BチームはCB森井莉人(広島Jrユース)やCB吉川晴翔(柏U-15)が封じて得点を許さない。その後も着実に加点したBチームに対し、CチームもFW山崎琉偉(新潟U-15)がこぼれ球をゴールへ押し込んで反撃。だが、Bチームが2勝目を挙げた。
もう1試合は、Aチームが181cmMF阿出川琥吾(柏U-15)のスルーパスやスキルの高いMF椿渥裕(横浜FC Jrユース)のスペースを突くドリブルなどで攻める。前半は決定機を活かせなかったが、後半4分にDF背後へ抜け出したFW川端彪英(京都U-15)が独走。GKとの1対1から右足シュートを決めて先制する。
千葉県U-16もMF安田蓮翔(QUON)の仕掛けなどで攻め返していたが、AチームはCB高嶋蒼和(神戸U-18)の落ち着いた対応や阿出川の2度3度と連続でかけるプレッシング、右SBオディケチソン太地(JFAアカデミー福島U-15EAST)の圧力の高い守備などでその攻撃を封鎖。逆にMF岩崎亮佑(横浜FCユース)が加点して2-0で勝った。
平田監督は「(普段とは)違ったポジションをやってもらった選手もいたし、3月(の大阪合宿)に比べて色々な部分でパワーアップしていた。この年代の可能性を感じました」と評した。AチームとBチームが2勝1分で並び、前日のCチーム戦を7-1で制していたAチームが得失点差で優勝。阿出川は「Aチームは一人ひとりが助け合っていたし、サッカーを楽しんでいました」と優勝の要因を説明していた。
U-15日本代表の目標は25年U-17ワールドカップで輝くことだ。阿出川は「(U-17ワールドカップは)遠い夢かなと思っていたけれど、平田さんの話とか聞いて今やらないと次に繋がらないというか、一歩一歩のステップアップが大事だな、チャンスが目の前にあるんだなと感じました。頑張ろうと思いました」という。来年にはアジア1次予選が開催予定。時代に応じた体制づくり、活動と日本の強みを活かしながら準備を進める。
U-15日本代表は現在、別チームの20名がEAFF U15 男子選手権 2023(中国)に参戦中。「このタイミングでこの人数でできたのは大きい」(平田監督)という今回のラージ合宿、EAFF U15 男子選手権を含め、この1年間で計90名もの選手がU-15日本代表の活動に参加した。
今回、多くの目に見られる中で学び、新たな経験を積んだ選手たちは、基準を持ち帰って自身と自チーム、世代の成長に繋げる。平田監督は解散時に「(世界の)ライバルはいっぱい(トレーニングや努力を)やっているよ。チームの信頼を得て、結果を残して」とメッセージ。U-15の才能たちは日常をレベルアップしながら世界を目指す。
(取材・文 吉田太郎)