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“ドイツキラー”で話題も悔しさ残るFW浅野拓磨「そこに流されることはなかった」

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日本代表FW浅野拓磨(ボーフム)

 9月シリーズの国際親善試合ドイツ戦(○4-1)でダメ押しゴールを決め、カタールW杯に続いてまたしても“ドイツキラー”っぷりを発揮した日本代表FW浅野拓磨(ボーフム)だったが、活動を終えて残ったのは「悔しさ」だったという。

「ドイツでプレーしているので反響はすごくあったし、ゴールもみんな見ていたのでいろんなことを言ってくる選手がたくさんいた。でも僕自身全く満足のいくプレーができていなかったので、何を言われても気にせずに。どちらかというといい声をかけてくれるけど、言ってしまえば悔しい活動で終わったので、自分自身そこに流されることはなかった」

 ドイツ戦のゴールはMF久保建英の独走カウンターから生まれたもの。浅野はドイツ戦後、諦めずに走ったことには自身の信念を見せつつも、「ほぼタケのゴール」と謙遜していた。さらにむしろGKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンに阻まれた1対1の決定機のほうに課題を見出していた。

 だからこそ、9月シリーズ後は「その悔しさを自分のチームでぶつけるしかないと思ってここまでやってきた」。しかし、4試合でノーゴール。チームも2分2敗の成績に終わっており、「9月から結果を残せていないので今も悔しさは募っている。その悔しさを晴らすために良い準備をしたい」と今もその悔しさは晴れていないようだ。

 11月から北中米W杯アジア2次予選、来年1〜2月にはアジアカップと重要な戦いが控える日本代表。それでも浅野はこの代表に生き残っていくためにも、この親善試合2試合にモチベーションを燃やしている。

「僕としては毎回毎回全ての代表活動が大事になるという気持ちで臨んでいるし、今回はちょっと手を抜くとか、今回は全力で行くとかは1秒たりとも考えることはない。今回の活動も今後につなげるために必要な活動だと思うので、先を見てどのタイミングが大事かというのも逆算すればあるのかもしれないけど、逆算した結果、今できることを全力でやること以外に答えはない」

 W杯予選やアジア杯といった目標は「頭の中には間違いなくある。そこに向けての準備は常に頭の中にしている」という浅野。それでもこだわるのは目の前の試合だ。

「そのための準備を100%するために何が大事かというと、今の自分の環境で100%プレーすること。それが未来に向けてのいい準備になると思っている。だからこそやることは変わらないのかなと思う」。その姿勢こそが3年後のW杯にもつながると信じている。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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