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チーム内のポジション争いも刺激に…上田綺世「ライバルの活躍は僕にとっていいこと」

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日本代表FW上田綺世

 新たな刺激を加えながら日々成長し、今なお進化を続けている。9月9日のドイツ戦(○4-1)で決勝点を決めた日本代表FW上田綺世(フェイエノールト)だったが、この試合で負傷交代し、代表からも途中離脱。所属チームに戻ってからも直後のリーグ戦と、UEFAチャンピオンズリーグ初戦となったセルティック戦を欠場した。

 それでも、その後のリーグ戦に2試合連続で途中出場し、今月4日の欧州CLアトレティコ・マドリー戦(●2-3)で先発復帰。自身のCLデビュー戦で前半7分、裏への抜け出しから決定的なシュートを放つと、GKヤン・オブラクが弾いたボールが相手選手に当たってゴールマウスに吸い込まれた。

 記録はオウンゴールとなったが、持ち味である裏抜けから先制点を呼び込み、2点目につながるFKも獲得した。上田は後半15分でベンチに下がり、チームも2-3で逆転負け。「もっと長い時間プレーできたらもっと良かった。もっとチャンスメイクして、チームを勝たせられたらFWとして良かった」と悔しさを隠さなかったが、「チャンピオンズリーグを経験して、また自分の中で新たな土台ができた」という確かな収穫もあった。

 フェイエノールトでは22歳のメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスが開幕8試合で12ゴールを量産し、得点ランキングでもトップを走っている。上田が先発したA・マドリー戦もヒメネスが出場停止という事情があった。それでも、強力なライバルとポジションを争っている現状について「ライバルが活躍しているのは僕にとっていいこと」と言い切る。

「フェイエノールトのストライカーとしても、一人のストライカーとしても吸収できることはあるし、彼の方が優れている部分はいっぱいある。見て学べるのは大きな刺激になる」。さまざまなビッグクラブが熱視線を送っていると言われるストライカーを間近に見ながら、ブレない信念が上田自身を成長させている。

「自分がやってきたこと、持っているもの以外は出せない。持っているものを100%出し続けて、新しいことを刺激として吸収することが大事」。代表では6月、9月と途中離脱が続いているが、出場した試合ではA代表初ゴールを決めた6月15日のエルサルバドル戦、そしてドイツ戦と2戦連発中。「自分にできることを精一杯出すことは変わらない。チームでも代表でも常にアピールしないと、キャリアの中でいい道を進めない。毎試合毎試合が大事」と力を込めた。

(取材・文 西山紘平)

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西山紘平
Text by 西山紘平

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